第59回 午後 問82
臨床医学
フレイルの高齢者の特徴で正しいの
フレイルの高齢者の特徴で正しいのはどれか。
- 1筋量が増加する。
- 2TUG時間が短くなる。
- 3長座位前屈距離が短くなる。
- 4運動負荷時のBorg指数が低値になる。
- 5FBS〈Functional balance scale〉が低値になる。
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✓ これが正解5FBS〈Functional balance scale〉が低値になる。
解説
フレイルでは筋力と歩行の低下から、FBSが低値になります。
フレイルは、加齢に伴って体の予備能力が低下し、ストレスに弱くなって、要介護状態や転倒などの危険が高まった状態です。代表的な判定(Friedらの基準)では、体重減少、疲れやすさ、身体活動量の低下、歩行速度の低下、握力の低下のうち3つ以上が当てはまるとフレイルとされます。筋力や歩く力が落ちるため、立位でバランスを保つ能力も低下しやすく、バランス能力を14の課題で点数にするFBS(Functional balance scale)は低値になります。したがって、FBSが低値になる、という記述が正しいといえます。
ほかの肢は、フレイルで起こる変化の向きが逆であるか、フレイルの判定の項目に含まれていない指標です。
フレイルは筋量・筋力・歩行・バランス・活動量が落ちる状態なので、時間を測る検査は長くなり、点数で表す能力の検査は低くなり、同じ負荷でのきつさは強くなる、と変化の向きで整理しておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1筋量が増加する。:フレイルの高齢者では、活動量や栄養の低下も加わって筋量が減り、筋力も落ちていきます。筋量が増加するという記述は、フレイルで起こる変化と逆です。
- 2TUG時間が短くなる。:TUG(Timed Up and Go test)は、椅子から立ち上がって3 m先で折り返し、再び座るまでの時間を測る検査です。フレイルでは移動の能力が落ちるため、所要時間は長くなり、短くなるとはいえません。
- 3長座位前屈距離が短くなる。:長座位での前屈の距離は柔軟性の指標で、加齢で短くなることはありますが、フレイルの判定の項目には含まれていません。フレイルの高齢者の特徴として正しいとされる記述ではありません。
- 4運動負荷時のBorg指数が低値になる。:Borg指数は運動のきつさを本人の感じ方に沿って数字で表す尺度です。体力が落ちたフレイルの高齢者では、同じ負荷でもきつく感じやすく、Borg指数は高くなる方向に働きます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問82(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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