第59回 午後 問83
リハビリテーション医学
廃用症候群で生じやすい病態
不動による廃用症候群で生じやすい病態はどれか。
- 1安静時心拍数の低下
- 2間質性肺疾患
- 3自律神経過反射
- 4深部静脈血栓
- 5低カルシウム血症
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✓ これが正解4深部静脈血栓
解説
不動で筋ポンプが働かず静脈血が滞り、深部静脈血栓が生じやすくなります。
廃用症候群は、病気やけがで体を動かさない状態(不動)が続くことによって、全身のさまざまな機能が低下する状態です。不動では、下肢の筋が収縮して静脈の血液を心臓へ押し戻す働き(筋ポンプ)が弱まり、静脈の血流が滞ります。さらに脱水などで血液が固まりやすくなると、下肢の深部の静脈に血栓ができやすくなります。したがって、不動による廃用症候群で生じやすい病態は深部静脈血栓です。血栓がはがれて肺の血管に詰まると肺塞栓症を起こすため、注意が必要です。
ほかの肢は、変化の向きが逆であるか、廃用とは別の原因で起こる病態です。
廃用症候群は筋・骨・心肺・循環・皮膚・精神など全身に及ぶ、と系統ごとに起こる変化(筋萎縮、骨萎縮と高カルシウム尿症、心拍数の増加、起立性低血圧、深部静脈血栓、褥瘡など)を挙げられるようにしておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1安静時心拍数の低下:安静臥床が続くと、心臓の一回拍出量が減るため、それを補うように安静時の心拍数は増加します。持久力の低下も加わり、心拍数が低下するという記述は、廃用で起こる変化と逆です。
- 2間質性肺疾患:間質性肺疾患は、肺の間質に炎症や線維化が起こる病気で、原因は膠原病や薬剤、吸い込む物質などです。不動による廃用で起こりやすい肺の問題は、痰がたまることによる無気肺や肺炎です。
- 3自律神経過反射:自律神経過反射は、主に第6胸髄より高い位置の脊髄損傷で、膀胱の充満などの刺激をきっかけに急激な血圧上昇が起こる病態です。損傷の高さに特有のもので、不動そのものによる廃用の病態ではありません。
- 5低カルシウム血症:不動が続くと骨に力がかからなくなり、骨からカルシウムが溶け出します。そのため血液や尿のカルシウムは増える方向に変化し、高カルシウム尿症や高カルシウム血症が問題になります。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問83(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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