第59回 午後 問91
臨床医学
筋萎縮性側索硬化症に関する問題
筋萎縮性側索硬化症における典型的な筋電図検査所見で正しいのはどれか。
- 1運動神経伝導検査における遠位潜時延長
- 2感覚神経伝導検査における伝導ブロック
- 3針筋電図検査における線維束攣縮の電位出現
- 4反復刺激試験における漸減現象〈Waning〉
- 5反復刺激試験における漸増現象〈Waxing〉
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✓ これが正解3針筋電図検査における線維束攣縮の電位出現
解説
ALSでは、針筋電図で線維束攣縮の電位がみられます。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、上位と下位の運動ニューロンが徐々に失われる病気です。下位運動ニューロン(脊髄の前角細胞)が障害されると、その支配を失った筋線維が勝手に収縮するようになり、針筋電図では線維束攣縮電位や線維自発電位などの脱神経の所見がみられます。したがって、針筋電図検査における線維束攣縮の電位出現が、ALSの典型的な所見です。
ほかの肢は、髄鞘が壊れる末梢神経の病気や、神経と筋のつなぎ目(神経筋接合部)の病気に特徴的な所見です。ALSでは感覚神経は障害されにくく、神経の伝導そのものはおおむね保たれます。
ALSは運動ニューロンだけの病気なので、感覚神経の伝導は正常、針筋電図で脱神経と再支配の所見、と覚えておくと、ほかの神経・筋の病気と見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1運動神経伝導検査における遠位潜時延長:運動神経伝導検査での遠位潜時の延長は、髄鞘が壊れて伝導が遅くなる脱髄性のニューロパチーや、手根管症候群などの圧迫でみられる所見です。ALSでは伝導速度や遠位潜時はおおむね保たれます。
- 2感覚神経伝導検査における伝導ブロック:ALSは運動ニューロンの病気で、感覚神経の伝導検査はふつう正常に保たれます。伝導ブロックは脱髄性の末梢神経障害でみられる所見で、ALSの典型ではありません。
- 4反復刺激試験における漸減現象〈Waning〉:反復刺激で筋の反応がしだいに小さくなる漸減現象は、神経筋接合部でアセチルコリン受容体が障害される重症筋無力症に特徴的な所見です。ALSの典型的な所見ではありません。
- 5反復刺激試験における漸増現象〈Waxing〉:高い頻度の反復刺激で筋の反応がしだいに大きくなる漸増現象は、Lambert-Eaton筋無力症候群に特徴的な所見です。神経終末からの伝達物質の放出が障害される病気で、ALSとは異なります。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問91(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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