第59回 午後 問94
臨床医学
転移性骨腫瘍で正しいの
転移性骨腫瘍で正しいのはどれか。
- 1頭蓋骨に好発する。
- 2前立腺癌では溶骨性転移が多い。
- 3高率に低カルシウム血症をきたす。
- 4痛みには温熱療法が第一選択となる。
- 5造骨性の骨転移では病的骨折は少ない。
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✓ これが正解5造骨性の骨転移では病的骨折は少ない。
解説
造骨性の骨転移では骨が硬くなり、病的骨折は比較的少なくなります。
転移性骨腫瘍は、肺癌、乳癌、前立腺癌、腎癌などの癌が骨に転移したものです。骨への転移には、骨を壊していく溶骨性のものと、骨を異常に作って硬くしていく造骨性(骨形成性)のものがあります。溶骨性の転移では骨が弱くなって病的骨折を起こしやすい一方、造骨性の転移では骨が硬く厚くなるため、病的骨折は比較的少ないとされます。したがって、造骨性の骨転移では病的骨折は少ない、という記述が正しいといえます。
ほかの肢は、好発部位、癌の種類と転移の型、血液のカルシウムの変化、痛みへの対応を取り違えています。
転移性骨腫瘍は脊椎・骨盤・大腿骨などの体幹に近い骨に多く、前立腺癌は造骨性、溶骨性では高カルシウム血症と病的骨折に注意、と特徴をまとめて覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1頭蓋骨に好発する。:転移性骨腫瘍は、血流の多い赤色骨髄をもつ脊椎、骨盤、大腿骨の近位、肋骨など、体幹に近い骨に多く発生します。頭蓋骨にも起こりますが、最も多い部位ではありません。
- 2前立腺癌では溶骨性転移が多い。:前立腺癌の骨転移は、骨を異常に作って硬くする造骨性のものが多いことで知られています。溶骨性の転移が多いのは、肺癌、腎癌、甲状腺癌などです。
- 3高率に低カルシウム血症をきたす。:骨転移で骨が壊されると、骨からカルシウムが溶け出し、血液のカルシウム濃度が上がる高カルシウム血症を起こしやすくなります。低カルシウム血症を高い割合で起こすという記述は逆です。
- 4痛みには温熱療法が第一選択となる。:悪性腫瘍のある部位に温熱を加えると、血流が増えて腫瘍の増大を促すおそれがあるため、温熱療法は避けるべき方法とされます。骨転移の痛みには、鎮痛薬や放射線治療などが用いられます。
出典:第59回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問94(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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