第60回 午前 問100
臨床医学
心理社会的治療で適切でないの
注意欠如・多動症〈注意欠如・多動性障害〉に対する心理社会的治療で適切でないのはどれか。
- 1指示は1つずつ出す。
- 2視覚化した指示を出す。
- 3雑談しながら作業をさせる。
- 4軽微な症状が出ても許容する。
- 5好ましい行動をしたらすぐにほめる。
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✓ これが正解3雑談しながら作業をさせる。
解説
雑談しながらの作業は注意がそれやすく、適切ではありません。
注意欠如・多動症〈ADHD〉は、不注意、多動性、衝動性を特徴とする発達障害です。心理社会的治療では、本人の特性に合わせて環境を整え、指示を分かりやすくし、望ましい行動を増やしていくことが基本になります。注意がそれやすいため、刺激の少ない環境で一つのことに集中できるようにする工夫が大切です。
雑談しながら作業をさせると、会話という別の刺激に注意が向いてしまい、作業に集中できなくなります。そのため、ADHDのある人への対応として適切ではありません。残りの4つは、情報を絞る、目で見て分かる形にする、叱られる経験を減らす、望ましい行動をその場で強める、という支援の基本に沿った対応です。
したがって、適切でないのは雑談しながら作業をさせることです。ADHDへの関わりは、刺激を減らす・指示を短く見える形に・すぐにほめる、と3つの柱で覚えておくと判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1指示は1つずつ出す。:指示を1つずつ出すと、一度に覚えて処理する情報が少なくなり、注意がそれやすい人でも取り組みやすくなります。適切な対応なので、この問いの答えにはなりません。
- 2視覚化した指示を出す。:絵や文字、手順表などで指示を視覚化すると、聞いたことを忘れやすい特性を補い、何をすればよいかを確かめながら進められます。適切な対応です。
- 4軽微な症状が出ても許容する。:軽微な症状まで一つ一つ注意すると、叱られる経験が重なって自己評価が下がります。小さな症状は許容し、大切な点に絞って関わるのは適切な対応です。
- 5好ましい行動をしたらすぐにほめる。:好ましい行動をしたらすぐにほめると、行動とほめられた喜びが結び付き、その行動が増えやすくなります。ADHDのある人への関わりとして適切な対応です。
出典:第60回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問100(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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