第61回 午前 問25
理学療法治療学
有酸素運動を用いた長期間の運動療法で増加するのはどれか。
- 1中性脂肪
- 2内臓脂肪
- 3HDLコレステロール
- 4LDLコレステロール
- 5内膜中膜複合体厚〈Intima Media Thickness:IMT〉
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✓ これが正解3HDLコレステロール
解説
有酸素運動を続けるとHDLコレステロールが増えます。
有酸素運動を長い期間続けると、血液中の脂質や体脂肪の状態が改善することが知られています。この問は、運動療法の効果として何が増え、何が減るかを整理しておけば判断できます。
有酸素運動を続けると、筋で脂肪を燃やす働きが高まり、血液中の中性脂肪が減ります。中性脂肪が減ると、余分なコレステロールを血管から回収して肝臓へ運ぶ働きをもつHDLコレステロール、いわゆる善玉コレステロールが増えやすくなります。一方で、体にたまった脂肪や悪玉と呼ばれる脂質は減る方向に動きます。動脈の壁の厚さを表す指標が増えることは、動脈硬化が進むことを意味するので、運動の効果とは逆の方向です。ほかの肢は、いずれも運動で減る、または増えては困るものです。
したがって、増加するのはHDLコレステロールです。運動で増えるのは善玉のHDLだけで、中性脂肪、内臓脂肪、LDLは減る方向、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1中性脂肪:中性脂肪は、有酸素運動で筋が脂肪をエネルギーとして使う量が増えることで、血液中の値が下がります。長期間の運動療法で増加するものではありません。
- 2内臓脂肪:内臓脂肪は、有酸素運動で消費するエネルギーが増えることで減少していきます。メタボリックシンドロームの改善で運動が勧められるのも、内臓脂肪を減らすためです。
- 4LDLコレステロール:LDLは肝臓から全身へコレステロールを運ぶ役割をもち、多すぎると動脈硬化の原因になります。長期の有酸素運動では下がるか横ばいとされ、増加はしません。
- 5内膜中膜複合体厚〈Intima Media Thickness:IMT〉:内膜中膜複合体厚(IMT)は頸動脈などの壁の厚さで、増えるほど動脈硬化が進んでいることを示します。運動療法は動脈硬化を防ぐ方向に働くので、増加させるものではありません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午前(厚生労働省)問25(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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