第61回 午後 問1
理学療法評価学
関節可動域測定法に関する問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準 1995年)に従って、図のように肩関節の可動域を測定した。正しいのはどれか。
肩関節の可動域測定の図:
- 上方から見下ろした図で、右上肢を肩の高さで側方へまっすぐ伸ばした位置から、前方へ向かう矢印が描かれている。
- 1検査肢位は側臥位である。
- 2参考可動域は150度である。
- 3肩甲骨の前方突出に注意する。
- 4移動軸は橈骨茎状突起と肩峰を結ぶ線である。
- 5基本軸は烏口突起を通る矢状面への垂直線である。
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✓ これが正解3肩甲骨の前方突出に注意する。
解説
水平屈曲の測定では肩甲骨の前方突出による代償に注意します。
図は、上肢を肩の高さで側方へ伸ばした位置から前方へ動かしており、肩関節の水平屈曲(水平内転)の測定です。判断には、設問が引く関節可動域測定法(1995年)での水平屈曲の測定条件、つまり測定肢位・基本軸・移動軸・参考可動域を思い出します。
この基準では、水平屈曲は肩関節を90度外転した位置から測り、基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線、移動軸は上腕骨とされ、参考可動域は135度です。測定は座位で行うのが一般的で、側臥位では体幹と上肢の位置関係を保ちにくくなります。水平屈曲を最後まで行おうとすると、肩甲骨が外側・前方へすべり出す前方突出(外転)が起こり、肩甲上腕関節以外の動きが角度に混ざります。そのため、肩甲骨の前方突出に注意して測るという記述が正しいことになります。
ほかの肢は、参考可動域の値、移動軸の目印、基本軸の通る点がそれぞれ基準とずれています。覚え方として、水平屈曲は肩峰を中心に上腕骨を前へ回す動きで、代償は肩甲骨が前へ出ることと結び付けておくと、軸と注意点を一度に思い出せます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1検査肢位は側臥位である。:水平屈曲は肩関節を90度外転位に保って測るので、座位で行うのが一般的です。側臥位では上肢の重みや体幹の傾きの影響を受けやすく、基準の測定肢位ではありません。
- 2参考可動域は150度である。:設問が引く1995年の基準で、肩関節水平屈曲の参考可動域は135度とされています。150度はこの運動の基準値ではなく、数値だけで誤りと判断できます。
- 4移動軸は橈骨茎状突起と肩峰を結ぶ線である。:水平屈曲の移動軸は上腕骨です。橈骨茎状突起と肩峰を結ぶ線は前腕までを含む目印で、肘の屈伸で線の向きが変わるため、肩の角度を正しく表しません。
- 5基本軸は烏口突起を通る矢状面への垂直線である。:基本軸は肩峰を通る矢状面への垂直線です。烏口突起は肩関節の回転の中心から前方にずれた点で、基本軸の基準点ではありません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問1(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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