第61回 午後 問42
臨床医学
糖尿病性神経障害に特徴的な所見
糖尿病性神経障害に特徴的な所見はどれか。
- 1急激な発症
- 2自律神経過反射
- 3深部腱反射の亢進
- 4下肢の靴下型感覚障害
- 5近位筋優位の筋力低下
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✓ これが正解4下肢の靴下型感覚障害
解説
糖尿病性神経障害では下肢の靴下型感覚障害が特徴です。
糖尿病性神経障害で最も多いのは、長い神経線維の末端から障害が進む多発神経障害です。判断の軸は、症状の分布(どこから始まるか)、進み方の速さ、反射の変化です。
神経線維は長いものほど高血糖による障害を受けやすいため、症状は足先から始まり、両側に左右対称に広がります。靴下をはく範囲にしびれや感覚の低下が出るこの分布を靴下型(進行すると手袋靴下型)とよび、糖尿病性神経障害に特徴的な所見です。
発症は年単位でゆっくり進むことが多く、急激な発症は典型的ではありません。自律神経過反射は、主に第6胸髄より上の脊髄損傷で、膀胱の充満などをきっかけに急激な血圧上昇が起こる病態で、糖尿病性神経障害の特徴ではありません。糖尿病性神経障害では末梢神経が傷むため、アキレス腱反射は低下・消失し、亢進はしません。筋力低下が出る場合も、足先など遠位から始まるのが一般的です。両足先から左右対称・ゆっくり・アキレス腱反射低下、の3点で覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1急激な発症:糖尿病性多発神経障害は、何年もかけて足先から少しずつ進むのが典型的です。急激に発症するのは、血管の閉塞などによる単神経障害など別の形です。
- 2自律神経過反射:自律神経過反射は、高位の脊髄損傷で膀胱の充満などをきっかけに血圧が急上昇する状態です。糖尿病による末梢神経の障害の所見ではありません。
- 3深部腱反射の亢進:末梢神経が障害されると反射の通り道が弱まるため、アキレス腱反射などは低下・消失します。亢進するのは中枢神経の障害です。
- 5近位筋優位の筋力低下:糖尿病性多発神経障害では長い神経ほど傷みやすく、症状は足先など遠位から始まります。近位筋が優位に弱くなるのは典型的ではありません。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問42(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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