第61回 午後 問43
理学療法治療学
リンパ浮腫に関する問題
リンパ浮腫の複合的治療で最も適切なのはどれか。
- 1体重管理を行う。
- 2運動は圧迫を解除して行う。
- 3皮膚は乾燥した状態を保つよう指導する。
- 4疾患に関わらず用手的リンパドレナージは実施可能である。
- 5多層包帯法による圧迫は患者本人が実施しないよう指導する。
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✓ これが正解1体重管理を行う。
解説
リンパ浮腫の複合的治療では体重管理を行います。
リンパ浮腫の複合的治療(複合的理学療法)は、スキンケア、用手的リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫下での運動療法を組み合わせ、さらに日常生活の指導を加えて行います。判断の軸は、それぞれの要素の目的と注意点です。
肥満はリンパ浮腫の悪化要因とされ、体重が増えると皮下の脂肪組織が増えてリンパの流れが滞りやすくなります。そのため、日常生活指導の一つとして体重管理を行うことが勧められます。よって体重管理を行うという記述が最も適切です。
運動療法は弾性着衣や弾性包帯で圧迫した状態で行うのが基本で、筋のポンプ作用と圧迫の組み合わせでリンパの流れを促します。皮膚が乾燥するとひび割れから細菌が入り蜂窩織炎などを起こしやすいため、保湿して清潔に保つよう指導します。用手的リンパドレナージは、急性の感染症、深部静脈血栓症、心不全などでは実施を控える場合があり、疾患にかかわらず実施できるわけではありません。多層包帯法は患者や家族が自分で巻けるように指導し、長く続けられるようにすることが大切です。圧迫しながら動く、皮膚は潤す、体重を増やさない、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2運動は圧迫を解除して行う。:運動は弾性着衣や包帯で圧迫した状態で行うのが原則です。圧迫と筋の収縮が組み合わさることで、むくんだ組織からリンパ液を押し戻す効果が高まります。
- 3皮膚は乾燥した状態を保つよう指導する。:皮膚が乾いてひび割れると、そこから細菌が入り込み蜂窩織炎を起こしやすくなります。保湿剤などで潤いと清潔を保つよう指導するのが正しい対応です。
- 4疾患に関わらず用手的リンパドレナージは実施可能である。:用手的リンパドレナージは、急性の炎症や感染、深部静脈血栓症、心不全などがあると症状を悪化させるおそれがあり、病状によっては控えます。
- 5多層包帯法による圧迫は患者本人が実施しないよう指導する。:圧迫療法は毎日続けることが大切なので、多層包帯法は患者本人や家族が自分で巻けるよう練習してもらいます。本人に実施させない指導は逆です。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問43(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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