第61回 午後 問70
運動学
僧帽筋上部線維の作用で共通するの
肩甲骨に対する前鋸筋と僧帽筋上部線維の作用で共通するのはどれか。
- 1下制
- 2挙上
- 3内転
- 4下方回旋
- 5上方回旋
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✓ これが正解5上方回旋
解説
前鋸筋と僧帽筋上部線維はどちらも肩甲骨を上方回旋させます。
肩甲骨の運動は、挙上・下制、外転・内転、上方回旋・下方回旋の組合せで表されます。判断の軸は、前鋸筋と僧帽筋上部線維それぞれの付着部と、その位置関係から生まれる作用です。
前鋸筋は肋骨の外側面から起こり、肩甲骨の内側縁(とくに下角)に付きます。肩甲骨を前外側へ引く外転と、下角を外側へ引くことによる上方回旋に働きます。僧帽筋上部線維は後頭骨や項靱帯から起こって鎖骨の外側部に付き、肩甲骨の挙上と上方回旋に働きます。腕を高く挙げるとき、この2つの筋(と僧帽筋下部線維)が力を合わせて肩甲骨を上方回旋させます。よって共通する作用は上方回旋です。
下制は僧帽筋下部線維や小胸筋などの作用で、上部線維は逆の挙上に働きます。挙上は上部線維の作用ですが、前鋸筋の主な作用ではありません。内転は僧帽筋の中部線維や菱形筋の作用で、前鋸筋は逆の外転に働きます。下方回旋は菱形筋や肩甲挙筋、小胸筋の作用です。腕を挙げるときの上方回旋は、前鋸筋と僧帽筋の力のカップル、と覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1下制:下制は肩甲骨を引き下げる動きで、僧帽筋の下部線維や小胸筋が担います。僧帽筋上部線維はむしろ反対の挙上に働きます。
- 2挙上:挙上は僧帽筋上部線維の作用ですが、前鋸筋は肩甲骨を胸郭に沿って前へ引く筋で、挙上を主な作用としていません。両者に共通する作用とはいえません。
- 3内転:肩甲骨を背骨に引き寄せる内転は、僧帽筋中部線維や菱形筋の働きです。前鋸筋は肩甲骨を前外側へ引き出す外転に働くので共通しません。
- 4下方回旋:肩甲骨の関節窩を下へ向ける下方回旋は、菱形筋や肩甲挙筋、小胸筋などが担います。設問の2つの筋は、どちらもこれとは逆向きに回す筋です。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問70(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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