第61回 午後 問74
運動学
健常者の歩行で正しいのはどれか。
- 1高齢者では歩行比は大きくなる。
- 2歩行周期で膝関節は1回屈曲する。
- 3爪先離地時で股関節伸展は最大になる。
- 4荷重応答期に体重心は足部の直上にある。
- 5遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速する。
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✓ これが正解5遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速する。
解説
遊脚後期にはハムストリングスが遊脚側下肢の振り出しを減速させます。
正常歩行は、立脚期と遊脚期の各相で関節の角度と筋の働きが決まっています。判断の軸は、各相で何が起こっているかの知識です。
遊脚後期(遊脚終期)は、前へ振り出した下肢が次の踵接地に備える時期です。この時期にはハムストリングスが遠心性に働き、前へ勢いよく伸びていく膝と股関節の動きにブレーキをかけ、下腿の振り出しを減速させます。よって遊脚後期に遊脚側下肢の動きが減速するという記述が正しいものです。
歩行比は歩幅を歩行率で割った値で、高齢者では歩幅が狭くなるため小さくなる傾向があります。膝関節は1歩行周期の中で、荷重応答期の軽い屈曲と遊脚期の大きな屈曲の2回屈曲します(二重膝作用)。股関節の伸展が最大になるのは爪先離地の直前、立脚終期の終わりごろで、爪先離地の時点ではすでに屈曲へ向かい始めています。体重心が支持足の直上に来るのは立脚中期で、荷重応答期には体重心はまだ支持足の後方にあります。遊脚後期はハムストリングスのブレーキ、と筋の働きとセットで覚えておきましょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1高齢者では歩行比は大きくなる。:歩行比は歩幅を歩行率で割った値です。高齢者は歩幅が狭くなりやすいため、歩行比は小さくなる傾向にあり、大きくなるという記述は逆です。
- 2歩行周期で膝関節は1回屈曲する。:一歩行周期の中で膝は2回曲がります。踵が着いた直後に衝撃を和らげる小さな屈曲と、足を振り出すときの大きな屈曲です。これを二重膝作用といいます。
- 3爪先離地時で股関節伸展は最大になる。:股関節の伸展が最も大きくなるのは立脚終期の終わり、反対の足が接地するころです。爪先離地の時点では股関節はすでに屈曲に転じ始めています。
- 4荷重応答期に体重心は足部の直上にある。:荷重応答期は踵が接地して体重を受け始める時期で、体重心はまだ支持足より後ろにあります。重心が足の真上に来るのは立脚中期です。
出典:第61回 理学療法士国家試験 午後(厚生労働省)問74(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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