データベース|システムアーキテクト試験
この分野には 21問あります。くり返し出ているものから並べています。
この分野でくり返し出ている用語はトランザクション(8問)・DBMS(6問)・データベース(5問)・クライアントサーバ(2問)・排他制御(2問)です。問題が多い回は令和6年度 春期(2問)・令和4年度 春期(2問)・平成28年度 秋期(2問)です。
整合性と速さの引き換え、障害からの戻り方、表の形の決め方
トランザクションは、全部が実行されるか全部が取り消されるかのどちらかしかないという原子性を前提に組み立てます。隔離性水準を高めると、他の処理の途中の値を読むダーティリードのような不整合な読込みは減りますが、待ちが増えて単位時間に処理できる件数は減ります。整合性と処理性能は引き換えの関係です。
排他制御では、読むための共有ロックどうしは両立し、書くための専有ロックはどちらとも両立しません。表の中の一行にでも共有ロックが掛かっていれば、その表全体を専有ロックすることはできません。互いに相手の解放を待つ状態がデッドロックで、DBMSはトランザクションを節点、待ちの関係を矢印とした待ちグラフに閉路があるかで検出します。
コミットが完了するのは、データベース本体への書出し時点ではなく、ログファイルへのコミット情報の書込みが終わった時点です。ログさえ残っていれば後からやり直せるからです。媒体障害では、バックアップコピーから復元し、取得以降にコミットしたトランザクションをログでロールフォワードして最新の状態に戻します。
関係モデルでは、候補キーはタプルを一つに特定できる極小の属性の組で、その値はタプルごとに異なります。{A,B}→Cが完全関数従属であるとは、A→CもB→Cも成り立たないことです。射影は属性の部分集合の数だけあり、次数nなら空も含めて2のn乗通りです。多対多の関連は関連表に分け、外部キーで参照します。
SQLでは、二つの表を共通の列が等しいという条件で結び付けるのが結合の基本で、グループごとの件数などに条件を付けるときはWHEREではなくHAVINGを使います。分析の側では、OLAPで集計の軸を別の組合せに切り替える操作をダイス、特定の値で切り出す操作をスライスと呼びます。組込み機器では、エンジンをライブラリとしてアプリと同じプロセス内で動かすインプロセスデータベースが通信とメモリの負担を抑えます。
この分野で出た問題
- 平成27年度 秋期 問21OLAP によって,商品の販売状況分析を商品軸,販売チャネル軸,時間軸,顧客タイプ軸で行う。データ集計の観点を,商品,販売チャネルごとから,商品,顧客タイプごとに切り替える操作はどれか。
- 令和5年度 春期 問24DBMS がトランザクションのコミット処理を完了するタイミングはどれか。
- 令和6年度 春期 問24DBMS において,デッドロックを検出するために使われるデータ構造はどれか。
- 平成25年度 秋期 問22DBMSに実装すべき原子性(atomicity)を説明したものはどれか。
- 平成24年度 秋期 問22RDBMS のロックに関する記述のうち,適切なものはどれか。ここで,X,Y はトランザクションとする。
- 平成29年度 秋期 問21UMLを用いて表した図のデータモデルを基にして設計したテーブルのうち,適切なものはどれか。ここで,“担当委員会ID”と“所属委員会ID”は“委員会ID”を参照する外部キーである。“役員ID”と“委員ID”は“生徒ID”を参照する外部キーである。実線の下線は主キー,破線の下線は外部キーを表す。
- 令和4年度 春期 問24t1~t10 の時刻でスケジュールされたトランザクション T1~T4 がある。時刻 t10 で T1 が commit を発行する直前の,トランザクションの待ちグラフを作成した。a に当てはまるトランザクションはどれか。ここで,select (X) は共有ロックを掛けて資源 X を参照することを表し,update (X) は専有ロックを掛けて資源 X を更新することを表す。これらのロックは,commit された時にアンロックされるものとする。また,トランザクションの待ちグラフの矢印は,Ti→Tj としたとき,Tj がロックしている資源のアンロックを,Ti が待つことを表す。
- 平成25年度 秋期 問21“社員”表から同姓同名が存在する社員の氏名を抽出するSQL文はどれか。
- 平成21年度 秋期 問23“納品”表と“顧客”表を自然結合するSQL文はどれか。
- 令和3年度 春期 問24ある月の“月末商品在庫”表と“当月商品出荷実績”表を使って,ビュー“商品別出荷実績”を定義した。このビューにSQL文を実行した結果の値はどれか。
- 平成28年度 秋期 問21システム障害発生時には,データベースの整合性を保ち,かつ,最新のデータベース状態に復旧する必要がある。このために,DBMS がトランザクションのコミット処理を完了とするタイミングとして,適切なものはどれか。
- 平成26年度 秋期 問22データベースに媒体障害が発生したときの回復法はどれか。
- 令和7年度 春期 問24トランザクションの隔離性水準を高めたとき,不整合なデータを読み込むトランザクション数と,単位時間に処理できるトランザクション数との適切な組合せはどれか。
- 平成22年度 秋期 問21概念データモデルの解釈として,適切なものはどれか。ここで,モデルの表記にはUMLを用いる。
- 平成23年度 秋期 問21次数が n の関係 R には,属性なし(ファイ)も含めて異なる射影は幾つあるか。
- 令和4年度 春期 問4組込みシステムで DBMS を用いるときには,通信のオーバヘッド,通信負荷の発生を防ぐこと,必要なメモリ容量をリソース制限内に抑えることなどを目的として,インプロセスデータベースを用いることがある。このインプロセスデータベースの説明として,適切なものはどれか。
- 令和6年度 春期 問2組込みシステムで DBMS を用いるときには,通信のオーバーヘッド,通信負荷の発生を防ぐこと,必要なメモリ容量をリソース制限内に抑えることなどを目的として,インプロセスデータベースを用いることがある。このインプロセスデータベースの説明として,適切なものはどれか。
- 平成28年度 秋期 問5論理データモデル作成におけるトップダウンアプローチ,ボトムアップアプローチに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- 平成30年度 秋期 問21関係モデルの候補キーの説明のうち,適切なものはどれか。
- 令和元年度 秋期 問21関数従属{A,B}→Cが完全関数従属性を満たすための条件はどれか。
正解と解説は、答え合わせのあとに出ます。
年度から解く
この分野の問題は 16年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和7年度 春期です。年度別に解くと、回ごとにまとめて解けます。