第27回 問題5
精神医学と精神医療
次のうち,精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において,自閉スペクトラム症と診断するための症状に含まれるものとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1精神運動焦燥または制止
- 2感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ
- 3チック症状
- 4気分の高揚
- 5幻覚
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✓ これが正解2感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ
解説
DSM-5の自閉スペクトラム症の基準には感覚の過敏・鈍感が入ります。
DSM-5は、アメリカ精神医学会がまとめた精神疾患の診断・統計マニュアルです。自閉スペクトラム症の診断基準は、大きく二つの症状の領域で組み立てられています。一つは対人的なコミュニケーションや相互のやりとりの持続的な困難、もう一つは行動・興味・活動の限定された反復的な様式です。
後者の領域には、同じ動きや言葉の繰り返し、同一性へのこだわり、限られた対象への強い興味と並んで、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、あるいは感覚的な側面への並外れた興味が含まれています。特定の音や肌ざわりを極端に嫌う、痛みや温度に気付きにくい、といった様子がこれにあたります。DSM-5で新たに基準の中に位置付けられた点として知られています。
ほかの肢は、別の病気の診断で使われる症状です。精神運動焦燥または制止はうつ病のエピソード、気分の高揚は躁病エピソード、幻覚は統合失調症などの精神病性の障害、チック症状はチック症の中心となる症状です。
覚え方は、自閉スペクトラム症の基準は社会的コミュニケーションの困難と限定された反復的な行動の二本柱で、感覚の問題は後者の柱に入る、と整理することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1精神運動焦燥または制止:精神運動焦燥または制止は、落ち着きなく動き回ったり動作や思考が遅くなったりする状態で、うつ病のエピソードの基準に含まれる症状です。自閉スペクトラム症の基準の項目ではありません。
- 3チック症状:チック症状は、突発的で不随意な運動や発声が繰り返されるもので、チック症の診断で中心となります。自閉スペクトラム症の診断基準に挙げられた症状ではありません。
- 4気分の高揚:気分の高揚は、気分が異常に高まり開放的になる状態で、躁病エピソードの基準にあたります。自閉スペクトラム症を診断するための症状には含まれません。
- 5幻覚:幻覚は、実際には無い声や物を知覚する体験で、統合失調症などの精神病性の障害で問題となります。自閉スペクトラム症の診断基準の項目ではありません。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題5。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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