第27回 問題15
現代の精神保健の課題と支援
職場でのハラスメントに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害は,パワーハラスメントに該当する。
- 2労働者数300名未満の事業場では,ハラスメント対応の措置が事業主の努力義務となっている。
- 3セクシュアルハラスメントの内容として,同性に対するものは対象外である。
- 4マタニティハラスメントの禁止は,母子保健法で規定されている。
- 5ハラスメントに起因する精神障害は,労働災害認定基準から除外されている。
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✓ これが正解1業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害は,パワーハラスメントに該当する。
解説
不要・遂行不可能な業務の強制や仕事の妨害は、パワハラに当たります。
この問は、職場のハラスメントに関する法律や指針の基本を押さえているかを問うものです。パワーハラスメントは、労働施策総合推進法と厚生労働省の指針で、職場での優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもので、労働者の就業環境が害されるもの、と整理されています。
指針や厚生労働省の解説では、典型的な例として六つの類型が示されています。身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害です。このうち過大な要求は、業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害を指します。正解の記述はこの類型の説明そのものです。
ほかの肢は、制度の範囲を狭く取り違えています。パワーハラスメント防止の措置は、中小企業も含めてすべての事業主の義務となっています。セクシュアルハラスメントは同性に対するものも含まれます。妊娠・出産などに関するハラスメントの防止は、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法が定めています。
見分け方は、ハラスメントの対策は対象を限らない方向で整えられてきた、と押さえることです。規模や性別、原因で除外する記述は疑ってかかるとよいでしょう。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2労働者数300名未満の事業場では,ハラスメント対応の措置が事業主の努力義務となっている。:パワーハラスメント防止の措置は、中小企業についても2022年4月から義務となり、規模にかかわらず事業主の義務です。労働者数で努力義務に分ける記述は、出題当時の制度に合いません。
- 3セクシュアルハラスメントの内容として,同性に対するものは対象外である。:セクシュアルハラスメントは、行為をする人と受ける人の性別を問わず、同性に対するものも含まれると指針で示されています。対象外とする記述は誤りです。
- 4マタニティハラスメントの禁止は,母子保健法で規定されている。:妊娠・出産・育児休業などを理由とするハラスメントの防止措置は、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法に定められています。母子保健法が定めるものではありません。
- 5ハラスメントに起因する精神障害は,労働災害認定基準から除外されている。:心理的負荷による精神障害の労災認定の基準では、上司などからのパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントが評価の対象の出来事として挙げられています。除外されてはいません。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題15。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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