第27回 問題16
現代の精神保健の課題と支援
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 12年に1度の実施が義務づけられている。
- 2休職者の職場復帰支援のための仕組みとして創設された。
- 3高ストレスと判定された労働者のうち,希望があった者への医師による面接指導の実施が事業者に義務づけられている。
- 4精神保健福祉士は,厚生労働大臣の定める研修を修了することなく実施者になれる。
- 5検査結果の分析は,地域障害者職業センターが行う。
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✓ これが正解3高ストレスと判定された労働者のうち,希望があった者への医師による面接指導の実施が事業者に義務づけられている。
解説
高ストレスで希望した労働者への医師の面接指導は事業者の義務です。
この問は、労働安全衛生法第66条の10に定められたストレスチェック制度の仕組みで判断します。ストレスチェックは、労働者自身がストレスの状態に気付き、職場環境の改善につなげることで、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐことを主な目的として2015年12月から始まった制度です。
同条第3項は、検査の結果の通知を受けた労働者で、心理的な負担の程度が省令で定める要件に当たる人が、医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、事業者は医師による面接指導を行わなければならないと定めています。申し出をしたことを理由に不利益な取扱いをすることも禁じられています。正解の記述はこの規定の内容そのものです。
ほかの肢は、制度の頻度、目的、実施者、分析の担い手を取り違えています。検査は1年以内ごとに1回行うもので、休職者の職場復帰のためではなく一次予防のための制度です。精神保健福祉士が実施者になるには、厚生労働大臣が定める研修を修了する必要があります。
覚え方は、ストレスチェックは本人の気付き、面接指導は本人の申し出、と本人の意思を起点に仕組みが組まれていると押さえることです。なお、出題当時、労働者数50人未満の事業場の実施は努力義務とされていましたが、2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、2028年4月1日から50人未満の事業場にも実施が義務付けられる予定です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 12年に1度の実施が義務づけられている。:ストレスチェックは、1年以内ごとに1回、定期に行うこととされています。2年に1度という頻度は制度の決まりと合いません。
- 2休職者の職場復帰支援のための仕組みとして創設された。:この制度は、労働者が自分のストレスに気付き職場環境を改善することで、不調を未然に防ぐ一次予防を主なねらいとしています。休職者の職場復帰を支える仕組みとして作られたものではありません。
- 4精神保健福祉士は,厚生労働大臣の定める研修を修了することなく実施者になれる。:医師や保健師のほか、看護師や精神保健福祉士などが実施者になるには、厚生労働大臣が定める研修を修了していることが条件です。研修なしで実施者になれるという記述は誤りです。
- 5検査結果の分析は,地域障害者職業センターが行う。:結果の集団ごとの分析は、実施者などが行い事業者が職場環境の改善に生かすものです。地域障害者職業センターは障害のある人の職業リハビリテーションを担う機関で、分析の担い手ではありません。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題16。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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