第27回 問題22
精神保健福祉の原理
次の記述のうち,「精神保健福祉法」に定められている精神障害者の家族の権利・義務として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1精神障害者に医療を受けさせるに当たって,医師の指示に従う。
- 2精神障害者が自身を傷つけ又は他人に害を及ぼさないように監督する。
- 3精神障害者の財産上の利益を保護する。
- 4都道府県知事に退院請求の申立てができる。
- 5回復した措置入院者等を引き取る。
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✓ これが正解4都道府県知事に退院請求の申立てができる。
解説
家族等は、都道府県知事に退院請求の申立てができます。
この問は、精神保健福祉法が精神障害者の家族に何を認め、何を求めているかを、出題当時の条文で判断するものです(この点は現在も同じです)。
同法第38条の4は、精神科病院に入院中の者又はその家族等は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、その者を退院させ、又は精神科病院の管理者に対し、その者を退院させることを命じ、若しくはその者の処遇の改善のために必要な措置を採ることを命じることを求めることができると定めています。これが退院等の請求で、請求を受けた都道府県知事は精神医療審査会に審査を求めます。家族等が退院請求の申立てをできるという記述は、この規定に合っています。
ほかの肢は、かつての保護者制度で保護者に課されていた義務です。以前の法律では、保護者に治療を受けさせる義務、医師の指示に従う義務、財産上の利益を保護する義務、措置入院者などを引き取る義務などが置かれていました。自傷他害を防ぐ監督の義務は1999年の改正で削られ、保護者制度そのものも2013年の改正(2014年4月施行)で廃止されました。
見分け方は、家族の重い負担となっていた義務は廃止され、今の法律に残っているのは家族等の権利としての請求や同意の仕組みだ、と押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1精神障害者に医療を受けさせるに当たって,医師の指示に従う。:治療に当たって医師の言うとおりにするよう家族に求める規定は、昔の法律で保護者の務めとされていたものです。2013年改正で保護者という立場ごとなくなったため、今は家族に課されていません。
- 2精神障害者が自身を傷つけ又は他人に害を及ぼさないように監督する。:精神障害者が自分を傷つけたり他人に害を及ぼしたりしないよう監督する義務は、旧来の保護者の義務で、1999年の法改正で削られました。現在の法律には置かれていません。
- 3精神障害者の財産上の利益を保護する。:精神障害者の財産上の利益を保護するという義務も、廃止された保護者制度に含まれていたものです。財産の管理が必要な場合は、成年後見制度などの別の仕組みで対応します。
- 5回復した措置入院者等を引き取る。:回復した措置入院者などを引き取る義務は、かつての保護者に課されていた義務の一つです。保護者制度の廃止とともになくなっており、現在の家族の義務ではありません。
出典:第27回 精神保健福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題22。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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