物理的セキュリティ対策
この単元には 14問あります。うち 1問は科目B(長文事例)で、この単元の科目Bだけ解くこともできます。くり返し出ているものから並べています。
情報を、置いてある場所と物のほうから守る
情報は通信の中だけにあるわけではありません。部屋にも、机の上にも、機器の中にもあります。この単元は、人と物の出入りを管理して、そちら側から情報を守る対策を扱います。
土台になるのが入退室管理です。区画ごとに立ち入ってよい人を決め、いつ誰が出入りしたかの記録を残します。ここでのごまかしを止めるのがアンチパスバックで、入室の記録がないカードでの退室を許さず、退室の記録がないカードでの再入室も許しません。前者は他人が開けた扉に続いて入る共連れを、後者はカードを外の人に渡す又貸しを止めます。
席まわりの決まりごともあります。離席や退社のときに書類や記憶媒体を出したままにせず、施錠できる場所へしまうのがクリアデスク、画面の内容を他人に見られない状態にしてから離れるのがクリアスクリーンです。どちらも、そばを通った人に見られる・持ち去られるという素朴な経路をふさぎます。
機器を外へ持ち出すと、紛失と盗難が現実の脅威になります。有効なのは、中身をあらかじめ暗号化しておくことです。機器そのものを失っても、読み出せなければ情報は漏れません。内蔵ストレージを抜き取って別のPCにつなぎ、中を読むという手口があるため、起動時のパスワードだけでは足りず、ストレージ側の暗号化やHDDパスワードで備えます。
使い終わった機器も情報を抱えたままです。廃棄したり外部へ引き渡したりする前に、読み出せない状態にしておきます。データを消去する、記憶媒体を物理的に壊す、といった方法があり、処理を業者に任せる場合も、作業が確かに行われたことを確かめるところまでが対策になります。
機器を動かす側の設備も守る対象です。電気、通信サービス、給水、ガス、換気、空調のように外から供給される設備をサポートユーティリティといい、これが止まると機器も止まります。停電のときに電力を一定時間供給して、機器を安全に止めるまでの時間を稼ぐのがUPSで、可用性を保つための備えにあたります。
この単元で出た問題
- JIS Q 27002:2014(情報セキュリティ管理策の実践のための規範)の“サポートユーティリティ”に関する例示に基づいて,サポートユーティリティと判断されるものはどれか。3回出題
- 入室時と退室時にIDカードを用いて認証を行い,入退室を管理する。このとき,入室時の認証に用いられなかったIDカードでの退室を許可しない,又は退室時の認証に用いられなかったIDカードでの再入室を許可しないコントロールを行う仕組みはどれか。3回出題
- 利用者PCの内蔵ストレージが暗号化されていないとき,攻撃者が利用者PCから内蔵ストレージを抜き取り,攻撃者が用意したPCに接続して内蔵ストレージ内の情報を盗む攻撃の対策に該当するものはどれか。2回出題
- A社は,従業員300名の専門商社であり,機密性の高い情報も取り扱っている。最近,A社は,駅前のBビルの6階に移転した。6階にはA社だけが入居している。Bビルの2階から最上階の17階には多数の企業が入居しており,通常時はエレベーターを使用して各階に移動することができる。Bビルのビル管理業務はB社が行っている。B社はビルの入退館と入居企業の執務エリアの入退室を管理するシステム(以下,Cシステムという)を導入している。各入居企業は,Cシステムが発行するICカード(以下,Bカードという)を従業員に貸与している。各入居企業の執務エリアの出入口のドアは,当該企業が従業員に貸与したBカードをドア横のICカードリーダーにかざすことによって解錠できる。Bビルのエントランスホールは1階にあり,エレベーターホールとの境界には,フラッパーゲートが設置されている。フラッパーゲートを通過するには,フラッパーゲートのリーダーにBカード又は入館用に一時的に発行されたQRコードをかざす必要がある。フラッパーゲートを通過すれば,平日の昼間はエレベーターの行先階ボタンを押すことで各階に自由に移動ができる。夜間と休日は,行先階の入居企業が従業員に貸与したBカードをエレベーター内のICカードリーダーにかざす必要がある。フラッパーゲートのすぐ外には階段室に入るための階段口があり,階段口にある非常ドアは通常時,エントランスホールには出られるが,階段室には入れない仕組みになっている。ほかの階の階段口にある非常ドアは通常時,各フロアには出られないが,階段室には入れる仕組みになっている。ただし,どの階の非常ドアも清掃時などに一時的に出入り可能になることがある。また,非常時は自動的に出入り可能になる。フラッパーゲートの脇にはごみ箱が設置されている。科目B
- UPSの導入によって期待できる情報セキュリティ対策としての効果はどれか。
- ノートPCやスマートフォンなどのモバイル機器に重要情報を格納して持ち出すとき,機器の紛失による情報漏えい対策として有効なものはどれか。
- 利用者PCのHDDが暗号化されていないとき,攻撃者が利用者PCからHDDを抜き取り,攻撃者が用意したPCに接続してHDD内の情報を盗む攻撃によって発生する情報漏えいのリスクの低減策のうち,適切なものはどれか。
- 情報セキュリティ対策のクリアデスクに該当するものはどれか。
- 機密ファイルが格納されていて,正常に動作するPCの磁気ディスクを産業廃棄物処理業者に引き渡して廃棄する場合の情報漏えい対策のうち,適切なものはどれか。
正解と解説は演習画面で、解答したあとに表示されます。
年度から解く
この単元の問題は 7年度ぶんの試験から出ています。いちばん新しいのは令和8年度です。年度から選ぶと、回ごとにまとめて解けます。