第36回 問題2
医学概論
事例を読んで,国際生活機能分類(ICF)のモデルに基づく記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(78歳,男性)は脳梗塞を発症し左片麻痺となった。室内は手すりを伝って歩いている。外出時は車いすが必要で,近隣に住む長女が車いすを押して買物に出かけている。週1回のデイサービスでのレクリエーションに参加するのを楽しみにしている。
- 1年齢,性別は「心身機能」に分類される。
- 2左片麻痺は「個人因子」に分類される。
- 3手すりに伝って歩くことは「活動」に分類される。
- 4近隣に長女が住んでいるのは「参加」に分類される。
- 5デイサービスの利用は「環境因子」に分類される。
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✓ これが正解3手すりに伝って歩くことは「活動」に分類される。
解説
手すりを伝って歩くことは、ICFでは活動に分類されます。
この事例は、国際生活機能分類(ICF)のどの構成要素に当てはまるかを見分ける問です。ICFは、人の生活機能を心身機能・身体構造、活動、参加の3つに分け、それに影響する背景因子として環境因子と個人因子を置いています。活動は、歩く・食べる・着替えるなど、個人が課題や行為をやり遂げることを指します。
事例のAさんは、左片麻痺がありながら室内では手すりを伝って歩いています。これは本人が移動という行為を行っている様子なので、活動に分類されます。ここが決め手です。
ほかの事柄も整理しておきます。年齢や性別は本人の特徴なので個人因子、左片麻痺は体の働きの障害なので心身機能・身体構造に入ります。近くに長女が住んでいて買物を手伝ってくれることは、本人を取り巻く人の支えなので環境因子です。デイサービスに通ってレクリエーションに加わることは、社会的な場への関わりとして参加に当たります。
見分け方は、本人の体の働きか(心身機能)、本人の行為か(活動)、生活や社会の場への関わりか(参加)、本人の外にある人・物・制度か(環境因子)、本人の属性か(個人因子)を順に問うことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1年齢,性別は「心身機能」に分類される。:年齢や性別は、その人自身がもつ特徴であり、ICFでは背景因子のうち個人因子に入ります。体の働きを表す心身機能には分類されません。
- 2左片麻痺は「個人因子」に分類される。:左片麻痺は脳梗塞によって体の動きが損なわれた状態で、体の働きや構造の問題として心身機能・身体構造に分類されます。本人の属性を表す個人因子ではありません。
- 4近隣に長女が住んでいるのは「参加」に分類される。:長女が近くに住んでいることは、本人を取り巻く家族の支えであり、環境因子のうちの人的な環境に当たります。本人が社会の場に関わる参加とは区別されます。
- 5デイサービスの利用は「環境因子」に分類される。:デイサービスに通いレクリエーションに加わることは、本人が社会的な場に関わる参加として整理されます。サービスという仕組みそのものは環境因子ですが、ここで問われているのは利用している本人の生活の様子です。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題2。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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