第36回 問題14
心理学と心理的支援
クライエント中心療法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1クライエントの話を非指示的に傾聴していく。
- 2解決に焦点をあわせ,クライエントの強みを発展させる。
- 3クライエントの家族関係を変容しようとする。
- 4クライエントの意識を無意識化していく。
- 5クライエントの認知や行動に焦点を当てていく。
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✓ これが正解1クライエントの話を非指示的に傾聴していく。
解説
クライエント中心療法は、非指示的に話を傾聴する療法です。
クライエント中心療法は、ロジャーズが提唱した心理療法です。人は本来、自分で成長し問題を解決していく力をもっているという人間観に立ち、セラピストが指示や助言で導くのではなく、クライエントが自分の気持ちに気づき、自分で答えを見つけていく過程を支えます。そのため非指示的療法とも呼ばれます。
セラピストに求められる態度として、うそのない自分でいる自己一致、相手を条件なしに受け止める無条件の肯定的関心、相手の内面を相手の立場で感じ取る共感的理解が挙げられます。こうした態度でクライエントの話を傾聴することが、療法の中心になります。したがって非指示的に傾聴していくという記述が最も適切です。
ほかの記述は別の療法の特徴です。解決に焦点を当て強みを生かすのは解決志向アプローチ、家族関係の変化をめざすのは家族療法、認知や行動に焦点を当てるのは認知行動療法です。無意識に注目する精神分析では、無意識にあるものを意識化することがめざされます。
見分け方は、セラピストが導くのか、クライエントの力を信じて寄り添うのか、という支援の向きに注目することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2解決に焦点をあわせ,クライエントの強みを発展させる。:問題の原因より解決の姿に目を向け、クライエントのもつ強みや資源を広げていくのは、解決志向アプローチの特徴です。非指示的な傾聴を中心とする療法とは違います。
- 3クライエントの家族関係を変容しようとする。:家族を一つのまとまりとしてとらえ、家族の関係ややりとりの変化をめざすのは家族療法の考え方です。個人の話を受け止めて寄り添う療法の説明にはなりません。
- 4クライエントの意識を無意識化していく。:無意識に注目するのは精神分析ですが、そこでは無意識にあるものを意識化していくことがめざされます。意識を無意識化するという説明は向きが逆で、どの療法にも当てはまりません。
- 5クライエントの認知や行動に焦点を当てていく。:物事のとらえ方である認知と、行動の両方に働きかけて変えていくのは認知行動療法の特徴です。クライエントの話を非指示的に聴く療法とは方法が違います。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題14。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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