第36回 問題20
社会学と社会システム
次のうち,信頼,規範,ネットワークなどによる人々のつながりの豊かさを表すために,パットナム(Putnam, R.)によって提唱された概念として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1ハビトゥス
- 2ソーシャルキャピタル(社会関係資本)
- 3文化資本
- 4機械的連帯
- 5外集団
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✓ これが正解2ソーシャルキャピタル(社会関係資本)
解説
パットナムが提唱したのは、ソーシャルキャピタルです。
ソーシャルキャピタル(社会関係資本)は、人々の間の信頼、お互いさまの規範(互酬性の規範)、人と人とのネットワークといった、社会的なつながりの豊かさを、社会にとっての資本としてとらえる概念です。パットナムは、イタリアの地方政府の研究や、アメリカで人々の地域活動への参加が減っていることを論じた研究などを通じて、この概念を広めました。つながりが豊かな地域ほど、人々が協力しやすく、行政や地域社会もうまく機能すると論じています。
設問は、信頼・規範・ネットワークによるつながりの豊かさを表し、パットナムが提唱した概念を問うているので、ソーシャルキャピタルが正しいものです。地域福祉の分野でも、住民どうしの支え合いの基盤として、この概念がよく用いられます。
ほかの概念は、別の論者のものです。ハビトゥスと文化資本はブルデュー、機械的連帯はデュルケム、外集団は内集団と対にしてサムナーが示した概念として知られています。
覚え方は、パットナムは信頼・規範・ネットワークの3つ、と組で覚え、ブルデューの文化資本と混同しないように資本の種類で区別することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ハビトゥス:ハビトゥスは、ブルデューが示した概念で、育った環境の中で身についた、ものの感じ方や振る舞い方の傾向を指します。つながりの豊かさを表す概念ではありません。
- 3文化資本:文化資本は、ブルデューが示した概念で、教養・学歴・身につけた趣味など、文化的な面での資源を指します。人々の信頼やネットワークを指すものではありません。
- 4機械的連帯:機械的連帯は、デュルケムが示した概念で、似た者どうしが同じ価値観を共有することで結びつく、伝統的な社会の連帯のあり方を指します。
- 5外集団:外集団は、自分が属する内集団と対になる概念で、自分たちとは違う、よそ者として意識される集団を指します。サムナーが示したものとして知られています。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題20。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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