第36回 問題19
社会学と社会システム
次の記述のうち,ライフサイクルについての説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1個人の発達の諸段階であり,生物学的,心理学的,社会学的,経済学的な現象がそれに伴って起きることを示す概念である。
- 2生活を構成する諸要素間の相対的に安定したパターンを指す概念である。
- 3社会的存在としての人間の一生を,生まれた時代や様々な出来事に関連付けて捉える概念である。
- 4個人の人生の横断面に見られる生活の様式や構造,価値観を捉えるための概念である。
- 5人間の出生から死に至るプロセスに着目し,標準的な段階を設定して人間の一生の規則性を捉える概念である。
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✓ これが正解5人間の出生から死に至るプロセスに着目し,標準的な段階を設定して人間の一生の規則性を捉える概念である。
解説
ライフサイクルは、標準的な段階で人の一生の規則性を捉える概念です。
ライフサイクルは、人間の一生を、出生から死に至るまでの一連の過程としてとらえ、そこにいくつかの標準的な段階を設定する考え方です。たとえば、誕生・就学・就職・結婚・子育て・引退・死といった段階を順に置き、多くの人がたどる典型的な道筋として人生をとらえます。人々に共通する一生の規則性を見ようとする点が特徴です。
したがって、出生から死に至るプロセスに着目し、標準的な段階を設定して人間の一生の規則性を捉える概念という記述が、ライフサイクルの説明として最も適切です。
これとよく比べられるのがライフコースの考え方です。ライフコースは、人の一生を、その人が生まれた時代や経験した出来事と結びつけてとらえ、一人ひとりの道筋の多様さに目を向けます。標準的な型を前提とするライフサイクルとは対照的です。
また、人生のある時点の横断面で生活の様式や価値観をとらえる見方や、生活を構成する要素どうしの安定した組み合わせをとらえる見方は、時間の流れに沿った段階を見るライフサイクルとは視点が違います。
覚え方は、ライフサイクルは標準的な段階と規則性、ライフコースは時代や出来事と多様性、と対で押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1個人の発達の諸段階であり,生物学的,心理学的,社会学的,経済学的な現象がそれに伴って起きることを示す概念である。:個人の発達の段階と、それに伴って起きるさまざまな現象を示すという説明は、人生の一つひとつの段階であるライフステージを指すものです。一生全体の規則性を捉える概念の説明ではありません。
- 2生活を構成する諸要素間の相対的に安定したパターンを指す概念である。:生活を構成する要素の間にみられる、比較的安定したまとまりや組み合わせを指す説明です。人の一生を時間の流れに沿った段階でとらえる考え方ではありません。
- 3社会的存在としての人間の一生を,生まれた時代や様々な出来事に関連付けて捉える概念である。:社会の中で生きる人の人生を、どの時代に生まれ何を経験したかと重ね合わせて見るのはライフコース論の立場です。典型的な型をあてはめず、個々の歩みの違いを重視します。
- 4個人の人生の横断面に見られる生活の様式や構造,価値観を捉えるための概念である。:ある一時点を切り取って、暮らし方の型や構造、大切にしている価値を見ようとする説明です。誕生から死までを縦に追って段階を区切る見方とは、とらえる向きが異なります。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題19。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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