第36回 問題27
社会福祉の原理と政策
次のうち,「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」で示された内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1在留外国人の出身国籍が多様化する傾向が止まり,南米諸国出身の日系人が在留者の大部分を占めるようになった。
- 2日本社会に活力を取り込むために,高度で専門的な技術・知識を有する者以外の外国人材の受入れを抑制する。
- 3外国人との共生社会は,一人ひとりの外国人が日本社会に適応するための努力をすれば実現可能である。
- 4外国人が安全に安心して暮らせるように,外国人に対する情報発信や相談体制を強化する。
- 5共生社会の実現のために,在留外国人には納税及び社会保険への加入の義務を免除する。(注) 「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」とは,外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議が2022年(令和4年)6月14日に策定した文書のことである。
答えと解説を見る
✓ これが正解4外国人が安全に安心して暮らせるように,外国人に対する情報発信や相談体制を強化する。
解説
ロードマップは、外国人への情報発信や相談体制の強化を掲げています。
外国人との共生社会の実現に向けたロードマップは、設問の注にあるとおり、2022年に関係閣僚会議が策定した文書です。日本で暮らす外国人が増え、国籍や在留の目的も多様になる中で、外国人と日本人が互いに尊重し、安全・安心に暮らせる共生社会をめざして、中長期的に取り組む課題と施策を示しています。
ロードマップでは、取り組むべき重点事項として、円滑なコミュニケーションと社会参加のための日本語教育などの取組、外国人に対する情報発信や外国人向けの相談体制などの強化、ライフステージやライフサイクルに応じた支援、共生社会の基盤整備に向けた取組が掲げられています。したがって、外国人が安全に安心して暮らせるように情報発信や相談体制を強化するという記述が最も適切です。
ほかの記述は、ロードマップの考え方と合いません。在留外国人の国籍は多様化が続いており、共生社会は外国人の努力だけでなく、受け入れる日本社会の側の取組も合わせて実現されるものとされています。また、外国人も社会の一員として税や社会保険などの公的な義務を果たすことが前提です。
見分け方は、共生は外国人と日本人の双方の取組で成り立つ、という基本の考え方に合うかどうかで判断することです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1在留外国人の出身国籍が多様化する傾向が止…:在留外国人の国籍や地域は、近年も多様化が進んでいます。多様化の傾向が止まり、特定の地域の出身者が大部分を占めるようになったという説明は、ロードマップの現状認識と合いません。
- 2日本社会に活力を取り込むために,高度で専…:ロードマップは、外国人材を円滑に受け入れ、共生社会をつくることをめざす文書です。高度な専門性をもつ人以外の受入れを抑えるという方針は示されていません。
- 3外国人との共生社会は,一人ひとりの外国人…:共生社会は、外国人の努力だけで実現するものではなく、受け入れる日本人や地域社会の側の理解と取組も合わせて実現されるものとされています。一方だけの努力とする説明は誤りです。
- 5共生社会の実現のために,在留外国人には納…:外国人も社会の一員として、税を納めることや社会保険に加入することなどの公的な義務を果たすことが前提とされています。義務を免除するという内容は示されていません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題27。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)