第36回 問題34
地域福祉と包括的支援体制
次の記述のうち,市町村地域福祉計画に関する社会福祉法の規定として,正しいものを1つ選びなさい。
- 1社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項について定める。
- 2福祉サービスの適切な利用の推進及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達のための基盤整備に関する事項について定める。
- 3地域における高齢者の福祉,障害者の福祉,児童の福祉その他の福祉に関し,共通して取り組むべき事項について定める。
- 4市町村地域福祉計画を定め,または変更しようとするときは,あらかじめ,都道府県の意見を聞かなければならない。
- 5市町村地域福祉計画の公表に当たって,市町村はその内容等について,都道府県の承認を受けなければならない。
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✓ これが正解3地域における高齢者の福祉,障害者の福祉,児童の福祉その他の福祉に関し,共通して取り組むべき事項について定める。
解説
市町村地域福祉計画には、福祉の各分野で共通して取り組む事項を定めます。
地域福祉計画は社会福祉法に定められた計画で、市町村が作る市町村地域福祉計画(第107条)と、都道府県が作る都道府県地域福祉支援計画(第108条)があります。どちらも策定は努力義務です。この問は、市町村の計画に定める事項と手続きを、都道府県の計画と区別できるかで判断します。
第107条第1項は、市町村地域福祉計画に一体的に定める事項として、地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組むべき事項を最初に挙げています。続いて、福祉サービスの適切な利用の推進、社会福祉を目的とする事業の健全な発達、住民の参加の促進、包括的な支援体制の整備に関する事項が並びます。したがって、福祉の各分野に共通して取り組むべき事項を定めるという記述が正しいものです。この事項があることで、地域福祉計画は高齢・障害・児童などの分野別の計画の上位にある計画と位置づけられています。
手続きについて、第107条第2項は、策定や変更の際に地域住民などの意見を反映させるよう努め、その内容を公表するよう努めることを定めています。都道府県の意見を聞くことや承認を受けることは求めていません。
覚え方は、人材の確保や基盤整備といった広域の支援の事項は都道府県の計画、身近な地域の福祉の事項は市町村の計画、と分けて押さえることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項について定める。:福祉の仕事に就く人材を確保し、その力を高めることは、広い範囲で取り組む課題として、都道府県が作る支援計画(第108条)の側に置かれている事項です。
- 2福祉サービスの適切な利用の推進及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達のための基盤整備に関する事項について定める。:福祉サービスの適切な利用の推進と事業の健全な発達のための基盤整備は、第108条で都道府県地域福祉支援計画の事項とされています。市町村の計画では、基盤整備ではなく利用の推進などが挙げられています。
- 4市町村地域福祉計画を定め,または変更しようとするときは,あらかじめ,都道府県の意見を聞かなければならない。:市町村が計画を作ったり変えたりするときに求められるのは、あらかじめ地域住民などの意見を反映させるよう努めることです。都道府県の意見を聞く手続きは定められていません。
- 5市町村地域福祉計画の公表に当たって,市町村はその内容等について,都道府県の承認を受けなければならない。:市町村は計画の内容を公表するよう努めるとされていますが、公表に当たって都道府県の承認を受ける仕組みはありません。計画は市町村が主体となって定めるものです。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題34。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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