第36回 問題48
地域福祉と包括的支援体制
次のうち,福祉計画を策定する際に用いられるパブリックコメントに関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1行政機関が計画の素案を公表して広く意見や情報を募集する機会を設けることにより,人々の意見を計画に反映させる。
- 2特定のニーズに対応するサービスの種類と必要量を客観的に算出することにより,サービスの整備目標を算出する。
- 3専門家等に対して同じ内容のアンケート調査を繰り返し実施することにより,意見を集約していく。
- 4集団のメンバーが互いの知恵や発想を自由に出し合うことにより,独創的なアイデアを生み出す。
- 5意見やアイデアを記したカードをグループ化していくことにより,様々な情報を分類・整理していく。
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✓ これが正解1行政機関が計画の素案を公表して広く意見や情報を募集する機会を設けることにより,人々の意見を計画に反映させる。
解説
パブリックコメントは、素案を公表して広く意見を募り計画に生かす手続です。
この問は、福祉計画を作る際に使われる住民参加や意見集約の手法を見分ける問題です。パブリックコメント(意見公募手続)は、行政機関が計画や規則の素案をあらかじめ公表し、一定の期間、住民などから広く意見や情報を募り、寄せられた意見を考慮して最終的な案をまとめる手続です。国の命令などについては行政手続法に意見公募手続の定めがあり、地方公共団体も条例や要綱で取り入れ、福祉計画の策定でも広く使われています。
この手続の特徴は二つあります。一つは、特定の委員や専門家だけでなく、誰でも意見を出せることです。もう一つは、白紙の状態ではなく、素案という具体的なたたき台に対して意見を求めることです。そのため、計画を作る過程を住民に見えるようにし、住民の意見を反映させる仕組みとして位置づけられています。
見分け方は、誰に、どのように意見を求める手法かに注目することです。素案を公表して広く募集するのがパブリックコメント、専門家への繰り返しの調査や、グループでの発想法、カードを使った整理法は、それぞれ別の名前を持つ技法です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2特定のニーズに対応するサービスの種類と必要量を客観的に算出することにより,サービスの整備目標を算出する。:サービスの種類と必要量を数値で見積もって整備目標を立てるのは、ニーズ推計と呼ばれる量的な手法の説明です。住民から広く意見を集める手続とは性格が違います。
- 3専門家等に対して同じ内容のアンケート調査を繰り返し実施することにより,意見を集約していく。:専門家に同じ内容のアンケートを繰り返し、前回の集計結果を示しながら意見を収束させていくのはデルファイ法の説明です。対象が専門家に限られる点もパブリックコメントと異なります。
- 4集団のメンバーが互いの知恵や発想を自由に出し合うことにより,独創的なアイデアを生み出す。:メンバーが批判をせずに自由に発想を出し合い、独創的なアイデアを生み出すのはブレインストーミングの説明です。素案を公表して意見を募る手続ではありません。
- 5意見やアイデアを記したカードをグループ化していくことにより,様々な情報を分類・整理していく。:カードに書いた意見や情報を似たもの同士でまとめ、図解して整理するのはKJ法の説明です。川喜田二郎が考案した発想法で、住民への意見募集の手続ではありません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題48。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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