第36回 問題78
権利擁護を支える法制度
事例を読んで,Hの相続における法定相続分に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Hは,多額の財産を遺して死亡した。Hの相続人は,配偶者J,子のK・L・M,Hよりも先に死亡した子Aの子(Hの孫)であるB・Cの計6人である。なお,Lは養子であり,Mは非嫡出子である。Hは生前にMを認知している。
- 1配偶者Jの法定相続分は3分の1である。
- 2子Kの法定相続分は6分の1である。
- 3養子Lの法定相続分は7分の1である。
- 4非嫡出子Mの法定相続分は8分の1である。
- 5孫Bの法定相続分は7分の1である。
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✓ これが正解4非嫡出子Mの法定相続分は8分の1である。
解説
子の取り分を4人分で分けるので、非嫡出子Mは8分の1です。
この問は、民法第900条の法定相続分と、第887条の代襲相続で判断します。子と配偶者が相続人のとき、配偶者が2分の1、子が全体で2分の1を受け、子が数人いれば等しく分けます。養子は嫡出子と同じ扱いで、非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定は、2013年の最高裁大法廷決定を受けた同年の民法改正で削られ、今は等しく分けます。また、Hより先に死亡した子Aの取り分は、Aの子のB・Cが代わりに受け継ぎます(代襲相続)。
事例に当てはめると、配偶者Jは2分の1です。子の側の2分の1は、K・L・Mと、A(B・Cが代襲)の4つの系統で等分するので、それぞれ8分の1になります。Aの8分の1をBとCで等しく分けるので、孫のB・Cは16分の1ずつです。合計すると、2分の1+8分の1×3+16分の1×2=1で、計算が合います。
したがって、非嫡出子Mの法定相続分は8分の1となり、これが正しい記述です。見分け方は、相続人の頭数(6人)で割るのではなく、まず配偶者と子の側を2分の1ずつに分け、子の側は代襲する孫を親の1人分としてまとめて数える、という順番を守ることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1配偶者Jの法定相続分は3分の1である。:子と一緒に相続する配偶者の法定相続分は2分の1です。3分の1という数は、配偶者と直系尊属が相続人のときの直系尊属側の取り分であり、この事例のJには当たりません。
- 2子Kの法定相続分は6分の1である。:子の側の2分の1を、Aの代襲分を数えずにK・L・Mの3人だけで割ると6分の1になりますが、B・CがAの分を代襲するので、正しくは4つの系統で割って8分の1です。
- 3養子Lの法定相続分は7分の1である。:養子は縁組の日から嫡出子の身分を取得するので、実子Kと同じ8分の1です。子の側の2分の1をどの数え方で割っても7分の1にはならず、この事例からは導けません。
- 5孫Bの法定相続分は7分の1である。:孫Bは先に死亡した親Aの取り分8分の1を、きょうだいのCと等しく分けて受け継ぐので、16分の1です。7分の1を導く分け方はこの事例にはありません。
出典:第36回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題78。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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