第37回 問題10
心理学と心理的支援
レジリエンスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ストレスをもたらす原因となる出来事のことである。
- 2強いストレスや心理的傷つきを伴う経験から,個人が持つ回復していく力のことである。
- 3ストレスに伴って生じた不快な情動を,意識的に低減する方略のことである。
- 4心的外傷となった過去の出来事を,あたかも今生じているかのように経験することである。
- 5社会的な関係の中で行われる支え合いや支援のことである。
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✓ これが正解2強いストレスや心理的傷つきを伴う経験から,個人が持つ回復していく力のことである。
解説
レジリエンスは、つらい経験から回復していく個人の力です。
レジリエンスは、もともと跳ね返る力や弾力を意味する言葉で、心理学では、強いストレスや心が傷つくような経験にさらされても、それに適応して立ち直っていく力を指します。この問は、ストレスに関わるいくつかの用語の意味を区別できるかで判断します。
強いストレスや心理的な傷つきを伴う経験から、個人が持つ回復していく力とする記述は、レジリエンスの意味そのものなので最も適切です。レジリエンスは生まれつき決まったものではなく、人とのつながりや周囲の支えなどによって高められると考えられています。
ほかの記述は、別の用語の説明にあたります。ストレスの原因となる出来事はストレッサー、不快な情動を意識的に和らげようとするのは情動に焦点を当てたコーピング(対処)、心的外傷となった出来事を今起きているかのように体験するのはフラッシュバック、人間関係の中での支え合いはソーシャルサポートと呼ばれます。
ストレスの原因がストレッサー、対処がコーピング、立ち直る力がレジリエンス、と流れで覚えておくと区別しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ストレスをもたらす原因となる出来事のことである。:ストレスの原因となる出来事や刺激はストレッサーと呼ばれます。レジリエンスは原因の側ではなく、ストレスを受けた人が立ち直っていく力の側を指す言葉です。
- 3ストレスに伴って生じた不快な情動を,意識的に低減する方略のことである。:不快な情動を意識的に減らそうとする方略は、ストレスへの対処であるコーピングのうち、情動に焦点を当てたものです。回復していく力そのものを指すレジリエンスとは異なります。
- 4心的外傷となった過去の出来事を,あたかも今生じているかのように経験することである。:心的外傷となった出来事を、まさに今起きているかのように再体験するのはフラッシュバックで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)でみられる症状の一つです。
- 5社会的な関係の中で行われる支え合いや支援のことである。:社会的な関係の中で行われる支え合いや支援は、ソーシャルサポートと呼ばれます。レジリエンスを高める要因の一つにはなりますが、レジリエンスそのものではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題10。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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