第37回 問題23
社会福祉の原理と政策
多文化共生社会の実現に向けた取組に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」では,外国人に情報を伝えるときは,外来語(カタカナ語)を多く使用するよう示している。
- 2「地域における多文化共生推進プラン(改訂)」では,外国人材の都市部への居住を促すことを目指している。
- 3多文化共生に取り組もうとする地方自治体への情報提供等のために,総務省は多文化共生アドバイザーの名簿を作成することとなっている。
- 4災害時外国人支援情報コーディネーターは,外国語を母語とする者を充てることとされている。
- 5「ヘイトスピーチ解消法」では,本邦外出身者も,日本文化の理解に努めなければならないと規定している。(注)1 「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」とは,出入国在留管理庁と文化庁が2020年(令和2年)8月に作成したガイドラインのことである。2 「地域における多文化共生推進プラン(改訂)」とは,総務省が2006年(平成18年)3月に策定し,2020年(令和2年)9月に改訂したプランのことである。3 「ヘイトスピーチ解消法」とは,「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」のことである。
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✓ これが正解3多文化共生に取り組もうとする地方自治体への情報提供等のために,総務省は多文化共生アドバイザーの名簿を作成することとなっている。
解説
総務省は、多文化共生アドバイザーの名簿を作成しています。
多文化共生とは、国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的な違いを認め合い、対等な関係を築きながら、地域社会の構成員として共に生きていくことをいいます。この問は、国が示しているガイドライン・プラン・法律の中身で判断します。
総務省は、多文化共生の取組を進めようとする地方自治体を支えるため、この分野で先進的な取組を行ってきた自治体の職員などを多文化共生アドバイザーとして名簿に登録し、他の自治体が助言や情報提供を受けられるようにしています。この名簿の作成について述べた記述が最も適切です。
ほかの記述を確認します。在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインは、外国人に伝わりやすいよう、難しい言葉や外来語(カタカナ語)をできるだけ避けることを示しています。地域における多文化共生推進プラン(改訂)は、外国人住民を地域社会の担い手として受け入れ、共に暮らす地域づくりを進めるもので、都市部への居住を促すものではありません。災害時外国人支援情報コーディネーターに、外国語を母語とする者を充てるという決まりはありません。ヘイトスピーチ解消法第3条が努力を求めているのは国民で、本邦外出身者に日本文化の理解を求める規定はありません。
多文化共生の取組は、外国人の側だけに負担を求めず、受け入れる地域の側の工夫を重ねるもの、と押さえておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1「在留支援のためのやさしい日本語ガイドラ…:やさしい日本語ガイドラインは、外国人に伝わりやすくするため、外来語(カタカナ語)や難しい言葉はなるべく使わず、短く分かりやすい文にすることを示しています。多く使うよう示してはいません。
- 2「地域における多文化共生推進プラン(改訂…:改訂プランがめざしているのは、外国人住民が暮らす各地域で、住民同士が支え合う共生の地域社会をつくることです。外国人を大都市に住まわせる方向を打ち出したものではありません。
- 4災害時外国人支援情報コーディネーターは,…:災害時外国人支援情報コーディネーターは、災害時に行政などの情報を整理し、外国人被災者のニーズと支援をつなぐ役割です。外国語を母語とすることは要件とされていません。
- 5「ヘイトスピーチ解消法」では,本邦外出身…:ヘイトスピーチ解消法は、国民に対し、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めることを求めています。本邦外出身者に日本文化の理解を義務づける規定はありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題23。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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