第37回 問題56
障害者福祉
「障害者雇用促進法」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1就労継続支援A型事業は,この法律に基づき就労支援サービスを提供するものである。
- 2公共職業安定所(ハローワーク)は,就労を希望した障害者の就職後の助言,指導は行わない。
- 3事業主は,障害者である労働者を雇用する事業所において障害者職業生活相談員を外部委託することができる。
- 4雇用義務の対象となる障害者であるかどうかの確認は,精神障害者については,精神障害者保健福祉手帳により行う。
- 5事業主は,障害者と障害者でない者との機会均等を図るために,過重な負担となるときであっても,合理的配慮を講じなければならない。(注) 「障害者雇用促進法」とは,「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。
答えと解説を見る
✓ これが正解4雇用義務の対象となる障害者であるかどうかの確認は,精神障害者については,精神障害者保健福祉手帳により行う。
解説
雇用義務の対象の精神障害者かは、精神障害者保健福祉手帳で確かめます。
障害者雇用促進法は、事業主に一定割合の障害者の雇用を義務づける障害者雇用率制度を中心に、職業リハビリテーション、障害者に対する差別の禁止と合理的配慮の提供などを定めた法律です。雇用義務の対象となる障害者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者で、精神障害者は2018年4月から雇用義務の対象に加わりました。
雇用義務の対象となる障害者かどうかは、手帳などで確かめます。身体障害者は身体障害者手帳、知的障害者は療育手帳や判定機関の判定書、精神障害者は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けていることで確認します。したがって、精神障害者については精神障害者保健福祉手帳により行うとする記述が最も適切です。精神障害の診断を受けているだけでは、雇用率の算定の対象にはなりません。
ほかの記述では、法律の範囲と事業主の義務の中身が問われています。障害福祉サービスとしての就労支援は別の法律に基づくこと、ハローワークは就職後の定着まで支えること、相談員は自らが雇用する労働者から選ぶこと、合理的配慮には過重な負担という限界があることを押さえておきます。見分け方は、雇用の場での事業主の義務は障害者雇用促進法、福祉サービスとしての就労支援は障害者総合支援法、と法律を分けて考えることです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1就労継続支援A型事業は,この法律に基づき…:就労継続支援A型事業は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス(訓練等給付)の一つです。雇用契約を結んで働く場を提供しますが、障害者雇用促進法を根拠とする事業ではありません。
- 2公共職業安定所(ハローワーク)は,就労を…:公共職業安定所は、障害者の求職登録や職業紹介だけでなく、就職した後も職場に適応して働き続けられるよう助言や指導を行います。就職後は関わらないという記述は、役割を狭くとらえています。
- 3事業主は,障害者である労働者を雇用する事…:障害者を一定数以上雇用する事業所の事業主は、その事業所で雇用する労働者のうち資格認定講習の修了者などから、障害者職業生活相談員を選任しなければなりません。外部への委託は認められていません。
- 5事業主は,障害者と障害者でない者との機会…:事業主の合理的配慮の提供義務には、事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは除くという限定が付いています。過重な負担となるときでも講じなければならないとする記述は誤りです。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題56。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)