第37回 問題57
障害者福祉
事例を読んで,大学の学生支援センターのA相談員(社会福祉士)のBさんへの対応に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
統合失調症の診断を受けた大学3年生のBさんは,周囲から聞こえてくる悪口と薬の副作用に悩み,授業も休みがちである。Bさんは,主治医から「悪口は幻聴である。薬物療法で緩和できる」との説明を受けているものの,不安は消えない。悩んだBさんは,学生支援センターを訪れ「薬の副作用がつらい。今後の就職活動も不安でたまらない。自分と同じ経験をしている学生は他にもいるのか。いるなら話をしてみたい」とAに訴えた。Bさんの不安や焦燥感を受け止めたAは,Bさんにどのように対応すべきかを考えている。
- 1主治医に相談するよう伝える。
- 2学生支援センターに登録しているピアサポートスタッフの紹介を検討する。
- 3地域の指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の紹介を検討する。
- 4就労移行支援事業所のサービス管理責任者の紹介を検討する。
- 5精神障害者保健福祉手帳の取得を勧める。
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✓ これが正解1主治医に相談するよう伝える。
✓ これが正解2学生支援センターに登録しているピアサポートスタッフの紹介を検討する。
解説
副作用の悩みは主治医への相談を促し、ピアサポートの紹介を検討します。
2つ選ぶ問です。場面は、Bさんが学生支援センターを訪れた最初の相談で、支援の段階でいえばインテーク(受理面接)から初期のアセスメントにあたります。決め手は、Bさん自身が訴えた言葉です。Bさんは、薬の副作用がつらいこと、就職活動が不安であること、そして自分と同じ経験をしている学生がいるなら話をしてみたいことを語っています。
適切な一つ目は、主治医に相談するよう伝えることです。薬の副作用は、薬の種類や量に関わる医療の領域の問題で、相談員が判断できるものではありません。つらさを主治医に伝えて相談するよう促すことは、医療との連携として欠かせない対応です。適切な二つ目は、学生支援センターに登録しているピアサポートスタッフの紹介を検討することです。ピアサポートは、同じような経験をもつ人どうしが支え合う取組で、同じ経験をしている学生と話してみたいというBさんの希望にそのまま応えるものです。
ほかの対応は、障害福祉サービスの利用や手帳の取得といった、Bさんがまだ求めていない制度の利用へ進むものです。見分け方は、相談者が実際に口にした訴えと希望に一つずつ応える対応を選び、相談者の気持ちより先に制度を当てはめる対応を外すことです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 3地域の指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の紹介を検討する。:指定特定相談支援事業所の相談支援専門員は、障害福祉サービスを使う人のサービス等利用計画を作る役割を担います。Bさんは福祉サービスの利用を求めておらず、今の訴えに応える紹介とはいえません。
- 4就労移行支援事業所のサービス管理責任者の紹介を検討する。:就労移行支援は、一般就労をめざす障害者に訓練などを行う障害福祉サービスです。Bさんは大学3年生で、今は不安や副作用への対応が先であり、事業所のサービス管理責任者を紹介する段階ではありません。
- 5精神障害者保健福祉手帳の取得を勧める。:精神障害者保健福祉手帳の取得は、Bさんが望んだことでも、今の訴えに直接応えるものでもありません。本人の気持ちが整わないうちに手帳を勧めるのは、意向より制度の利用を先に立てる対応です。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題57。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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