第37回 問題112
ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
「バークレイ報告」の内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1年齢やカテゴリー別の援助ではなく,家族全体を視野に入れた,総合的なアセスメントに基づく家族ソーシャルワークの実施を強調した。
- 2地方自治体の議会にソーシャルサービス委員会を設置することが必要であると指摘した。
- 3ソーシャルワーカーの任務として,それぞれが責任を持つ地理的範囲やクライエントのためのネットワークを見いだすとともに,必要があれば作り出すことに関心を持たなければならないとされた。
- 4地域ケア計画を作成するにあたり,ケースマネジメントの技能を応用し,明確な財源システムを目指すことが期待された。
- 5福祉サービスと保健医療改革を一体的に法定化し,継ぎ目のないサービスの提供を目標とした。(注) 「バークレイ報告」とは,1982年の「Social Workers:Their Role and Tasks」のことである。
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✓ これが正解3ソーシャルワーカーの任務として,それぞれが責任を持つ地理的範囲やクライエントのためのネットワークを見いだすとともに,必要があれば作り出すことに関心を持たなければならないとされた。
解説
バークレイ報告は、ネットワークを見いだし作り出す役割を強調しました。
バークレイ報告は、1982年にイギリスで出された、ソーシャルワーカーの役割と任務についての報告です。地域の人々のつながりを生かして支援を行うコミュニティ・ソーシャルワークの考え方を打ち出したことで知られています。
報告は、ソーシャルワーカーの仕事を、個人や家族への直接の援助(カウンセリング)と、地域の資源を組み合わせて支える社会的ケア計画の2つの面からとらえました。そして、人々を支えているのは公的なサービスだけでなく、家族や友人、近隣などの非公式なつながりでもあるとして、ソーシャルワーカーは、それぞれが責任を持つ地理的範囲やクライエントのためのネットワークを見いだし、必要があれば作り出すことに関心を持たなければならないとしました。この内容が記述と重なり、最も適切です。
他の記述は、バークレイ報告より前や後に出されたイギリスの報告や法律の内容です。年代順に、地方自治体の福祉の組織の再編、ケアマネジメントと地域ケア計画、保健医療と福祉の一体的な改革、という流れで整理すると見分けやすくなります。
覚え方として、バークレイ報告はネットワークとコミュニティ・ソーシャルワーク、と2つの語を結びつけて覚えておくと迷いません。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1年齢やカテゴリー別の援助ではなく,家族全…:年齢や対象ごとの縦割りをやめ、家族全体を視野に入れた総合的な援助を求めたのは、一般に1968年のシーボーム報告の考え方とされています。バークレイ報告の中心は、地域のネットワークを生かす役割でした。
- 2地方自治体の議会にソーシャルサービス委員…:地方自治体に社会サービスを担う委員会を置くことは、シーボーム報告の提言を受けた1970年の地方自治体社会サービス法で定められたものとされています。バークレイ報告の内容ではありません。
- 4地域ケア計画を作成するにあたり,ケースマ…:地域ケア計画の作成やケースマネジメントの活用、財源の仕組みの明確化を打ち出したのは、一般に1988年のグリフィス報告とされています。バークレイ報告より後の報告です。
- 5福祉サービスと保健医療改革を一体的に法定…:保健医療と福祉の改革を一体的に法律で定め、継ぎ目のないサービスを目指したのは、1990年の国民保健サービス及びコミュニティケア法の流れとされています。1982年のバークレイ報告の内容ではありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題112。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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