第37回 問題119
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
事例を読んで,A社会福祉士が事例検討を行う際に配慮すべきこととして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
B市高齢福祉課のAは,ある日後輩のC相談員(社会福祉士)から「最近複雑な生活課題を持っているクライエントへの対応に苦慮しているので,事例検討の場を設けてほしい」と依頼を受けた。
- 1クライエントも含めて参加者を組織する。
- 2参加者は,Cと同じ経験年数の者で構成する。
- 3時間にとらわれずに,結論が出るまで検討する。
- 4Cが事例報告をする際には,資料を活用せず口頭で行う。
- 5Cが他の参加者からのコメントに防衛的にならないようにする。
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✓ これが正解5Cが他の参加者からのコメントに防衛的にならないようにする。
解説
事例提供者のCさんが参加者のコメントに防衛的にならない配慮が大切です。
この事例は、対応に苦慮している後輩のC相談員から依頼を受け、A社会福祉士が事例検討の場をつくる準備の段階です。決め手は、Cさんが複雑な生活課題をもつクライエントへの対応に悩み、自分から検討の場を求めているという点です。
事例検討は、事例提供者の実践を批判する場ではなく、参加者が知恵を出し合って支援の手がかりを見つけ、事例提供者と参加者がともに学ぶ場です。悩みながら事例を出す人は、自分の対応の不十分さを指摘されるのではないかと身構えやすく、守りに入ると率直に話せなくなります。そこで、検討の進め役は、参加者のコメントが責める調子にならないよう場をつくり、事例提供者が安心して自分の迷いや考えを話せるように配慮します。
Cさんが他の参加者からのコメントに防衛的にならないようにする、という記述は、この配慮そのものです。安心できる場であれば、Cさんは新しい視点を受け入れやすくなり、クライエントへの支援にも生かせます。
覚え方として、事例検討の運営では、事例提供者を守ること、時間や資料などの枠組みを整えること、多様な参加者を集めること、の3つを押さえておくと他の記述の誤りも見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1クライエントも含めて参加者を組織する。:事例検討は、専門職がクライエントの情報をもとに支援のあり方を検討する場で、個人情報の扱いにも配慮が必要です。クライエント本人を参加者に加えることは、この種の事例検討では一般的ではありません。
- 2参加者は,Cと同じ経験年数の者で構成する。:参加者の経験や職種が多様であるほど、事例をいろいろな角度から見ることができます。Cさんと同じ経験年数の人だけに限る理由はなく、かえって検討の幅を狭めてしまいます。
- 3時間にとらわれずに,結論が出るまで検討する。:事例検討は、あらかじめ時間を決めて進めることで、要点を絞った検討になり、参加者の負担も抑えられます。結論が出るまで時間にとらわれずに続けるのは、運営として適切ではありません。
- 4Cが事例報告をする際には,資料を活用せず口頭で行う。:事例の概要や経過、家族関係の図などの資料を用意すると、参加者が同じ情報を共有して検討できます。個人情報の扱いに配慮しつつ資料を活用するのが一般的で、口頭だけにする必要はありません。
出典:第37回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題119。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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