第38回 問題7
心理学と心理的支援
事例を読んで,次のうち,現在のAさんに生じている状況を説明する現象として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(25歳)は,1年半前,バスの中で息苦しくなり,このまま心臓が止まってしまうのではないかと恐怖に襲われる経験をした。その後,バスに乗ると強い恐怖を感じるようになってしまい,バスに乗れなくなってしまった。病院を受診したところ,身体的な異常は認められなかった。しかし,現在では電車などのバス以外の乗り物にも恐怖を感じるようになってしまった。
- 1強化
- 2消去
- 3般化
- 4弁別
- 5馴化
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✓ これが正解3般化
解説
バスで生じた恐怖が他の乗り物にも広がった現象は、般化です。
この問は、学習理論(古典的条件づけ)の用語で事例を説明します。古典的条件づけでは、もともと恐怖と関係のない刺激(バス)が、強い恐怖体験と結びつくことで、それだけで恐怖を引き起こすようになります。
事例の決め手は、はじめはバスだけに恐怖を感じていたAさんが、現在では電車などバス以外の乗り物にも恐怖を感じるようになった点です。条件づけられた刺激に似た別の刺激にも同じ反応が起こるようになることを般化(刺激般化)といいます。乗り物という共通点をもつ電車にも恐怖が広がっているので、般化が最も適切です。
般化と対になるのが弁別で、似た刺激のうち特定のものにだけ反応し、ほかには反応しなくなることを指します。事例では反応の範囲が広がっているので、弁別とは逆の方向の変化です。
似たものにも反応が広がるのが般化、区別して反応するのが弁別、と対で覚えると取り違えにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1強化:強化は、ある行動の後に好ましい結果が続くなどして、その行動や反応が起こりやすくなる手続きです。恐怖の対象がバスから他の乗り物へ広がったという変化を説明する語ではありません。
- 2消去:消去は、条件刺激だけが繰り返し示されることで、恐怖などの反応が次第に起こらなくなる過程です。Aさんの恐怖はむしろ範囲を広げており、弱まっていく変化とは向きが逆です。
- 4弁別:弁別ができるようになると、バスには恐怖を感じても、電車には感じないといった区別が生じます。Aさんはバス以外の乗り物にも恐怖を感じるようになっており、区別とは反対の変化です。
- 5馴化:馴化は、同じ刺激を何度も受けるうちに慣れて、反応が小さくなっていく現象です。Aさんは恐怖に慣れたのではなく、対象を広げて感じるようになっており、当てはまりません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題7。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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