第38回 問題8
心理学と心理的支援
次の記述のうち,確証バイアスが生じている事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1利用者が集団活動を拒否する理由として,活動の魅力が低いことではなく,その利用者が集団活動を嫌いな人であるからと考えた。
- 2感染症対策を特にしなくても,自分は感染しないだろうと楽観視してしまった。
- 3利用者の転倒事故が起きた後に,前から事故が起きそうだったとわかっていたと発言する人が何人か現れた。
- 4ちょっと嫌いな人だという第一印象をもった相手について,いやな行動ばかりが目について,ますます嫌いになってしまった。
- 5自分の主張は多数派だと考えていたが,実際にアンケート調査をしたら賛成する人は少数であり,意外だった。
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✓ これが正解4ちょっと嫌いな人だという第一印象をもった相手について,いやな行動ばかりが目について,ますます嫌いになってしまった。
解説
第一印象に合う情報ばかり目について印象が強まるのが、確証バイアスです。
確証バイアスとは、自分がすでにもっている考えや期待に合う情報ばかりに注意を向けたり、そのように解釈したりして、合わない情報を軽く扱ってしまう認知の偏りです。最初の思い込みが、集めた情報によってさらに強められていくのが特徴です。
ちょっと嫌いだという第一印象をもった相手について、いやな行動ばかりが目につき、ますます嫌いになったという記述では、最初の印象に合う情報だけを拾い、その結果として印象が強まっています。これが確証バイアスの典型例で、最も適切です。
ほかの記述は、行動の原因を人柄に求める偏り、自分に悪いことは起こらないと考える偏り、結果を知った後の思い込み、自分の意見を多数派とみなす思い込みなど、別の認知の偏りの例です。
確証バイアスは、思い込み、それに合う情報を集める、思い込みが強まる、という循環があるかどうかで見分けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1利用者が集団活動を拒否する理由として,活動の魅力が低いことではなく,その利用者が集団活動を嫌いな人であるからと考えた。:拒否の理由を、活動の魅力の低さという状況の要因ではなく、本人が集団活動を嫌いな人だからという内的な特性に求めています。他者の行動を性格のせいにしがちな偏りで、基本的な帰属の誤りの例です。
- 2感染症対策を特にしなくても,自分は感染しないだろうと楽観視してしまった。:特に対策をしなくても自分は感染しないと考えるのは、悪い出来事は自分には起こりにくいと見積もる偏りです。楽観性バイアスの例であり、既存の考えに合う情報を集める偏りとは異なります。
- 3利用者の転倒事故が起きた後に,前から事故が起きそうだったとわかっていたと発言する人が何人か現れた。:事故が起きた後になって、前から起きそうだとわかっていたと言うのは、結果を知った後に、それが予測できたように感じる偏りです。後知恵バイアスと呼ばれる現象の例にあたります。
- 5自分の主張は多数派だと考えていたが,実際にアンケート調査をしたら賛成する人は少数であり,意外だった。:自分の主張が多数派だと考えていたのに実際は少数だったという例は、他人も自分と同じ考えだと多めに見積もる偏りです。フォールス・コンセンサス効果の例として説明されます。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題8。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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