第38回 問題51
地域福祉と包括的支援体制
事例を読んで,次のうち,A市の地域包括支援センターのB社会福祉士が連携すべき相手として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Bは,民生委員から一人暮らしのCさん(70歳,男性)に関する相談を受けた。Cさんに結婚歴はなく,65歳の時にA市に転入し,警備会社で働いていたが,69歳の時に脳梗塞を発症して退職し,老齢厚生年金で生活している。右半身に不全感が残っており,文字を書くことに不自由さがあるが,生活に支障はない。
先日,民生委員が高齢者実態調査のために訪問した際,Cさんが住む民間賃貸住宅は以前から建て替えをすることが決まっており,立ち退きを求められていたが,周辺地域の家賃が高騰しており,引っ越し手続きや保証人等をどうしたらよいか分からないとの相談があった。
- 1居住支援法人の担当者
- 2生活支援体制整備事業の担当者
- 3消費生活センターの担当者
- 4日常生活自立支援事業の担当者
- 5生活困窮者住居確保給付金の担当者
答えと解説を見る
✓ これが正解1居住支援法人の担当者
✓ これが正解5生活困窮者住居確保給付金の担当者
解説
住まいの確保には居住支援法人、家賃の支えには住居確保給付金の担当者と連携します。
この事例の決め手は、Cさんが民生委員に話した困りごとの中身です。住んでいる民間賃貸住宅の建て替えで立ち退きを求められ、周辺の家賃が高く、引っ越しの手続や保証人をどうしたらよいか分からない、という住まいの問題が中心です。地域包括支援センターのB社会福祉士は、相談を受けた直後の段階で、この主訴に合う連携先を選ぶことが求められています。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。
1つ目は、居住支援法人の担当者です。居住支援法人は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき、高齢者など住まいの確保に配慮が必要な人に、入居の相談や物件探しの手伝い、保証に関わる支援などを行います。保証人の悩みや引っ越しの手続という主訴に直接応えられる相手です。
2つ目は、生活困窮者住居確保給付金の担当者です。住居確保給付金は、生活困窮者自立支援法に基づき、離職などで経済的に困窮して住まいを失うおそれのある人などを支える給付金です。2025年(令和7年)4月からは、収入が著しく減少し、家計を改善するために新たな住居を確保する必要がある人も対象に加わっています。Cさんは病気で退職して年金で暮らしており、立ち退きで新しい住まいを探さなければならないので、利用できるかを確かめる相談先になります。
連携先を選ぶときは、主訴が住まいの確保なのか、判断能力の支えなのか、契約トラブルなのかを先に見極めると、選ぶ相手がはっきりします。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2生活支援体制整備事業の担当者:生活支援体制整備事業は、生活支援コーディネーターなどが地域の支え合いの資源づくりやネットワークを進める事業です。立ち退きや保証人という個別の住まいの問題に直接応える連携先ではありません。
- 3消費生活センターの担当者:消費生活センターは、契約や悪質商法などの消費者トラブルの相談を受ける窓口です。事例には契約の被害や勧誘のトラブルが出てこないため、今回の主訴に合う連携先とはいえません。
- 4日常生活自立支援事業の担当者:日常生活自立支援事業は、判断能力が十分でない人の福祉サービスの利用や金銭管理を支える事業です。Cさんは字を書くことに不自由さがあるものの判断能力に問題は示されておらず、対象として合いません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題51。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)