第38回 問題77
ソーシャルワークの理論と方法
次の記述のうち,ジャーメイン(Germain, C.)とギッターマン(Gitterman, A.)が提唱したライフモデルにおける「適応」(adaptation)に関するものとして,適切なものを2つ選びなさい。
- 1環境を変えることにより,個人の特性やニーズに合致する。
- 2個人の能力と環境条件が拮抗することによって,均衡が保たれる。
- 3個人と環境が相互に影響し合うことで,バランスのとれた支援関係を築く継続的なプロセスである。
- 4人々と環境との関係の中で,個人が能力を発揮することによって適応が確保される。
- 5個人はニーズに合わせるために環境を変え,自らもその変化に適合させる。
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✓ これが正解3個人と環境が相互に影響し合うことで,バランスのとれた支援関係を築く継続的なプロセスである。
✓ これが正解5個人はニーズに合わせるために環境を変え,自らもその変化に適合させる。
解説
適応は、人と環境が影響し合い、環境を変え自らも合わせていく継続的な過程です。
この問は、ジャーメインとギッターマンが提唱したライフモデルで、適応という言葉がどのような意味で使われているかを問うものです。適応を、人と環境のどちらか一方が合わせる一方通行のものとして捉えるのか、双方が影響し合う過程として捉えるのかが判断の軸です。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。
1つ目は、個人と環境が相互に影響し合うことで、バランスのとれた支援関係を築く継続的なプロセスだという記述です。ライフモデルは生態学の考え方を取り入れ、人と環境を切り離さず、一つのまとまりとして捉えました。適応は、ある時点で達成されて終わる状態ではなく、人と環境がやりとりを重ねながら、よりよく合った関係を探り続ける過程とされます。
2つ目は、個人はニーズに合わせるために環境を変え、自らもその変化に適合させるという記述です。ライフモデルの適応は、人が環境に一方的に従うことでも、環境だけを人に合わせることでもありません。人は自分のニーズを満たすために環境に働きかけて変え、同時に、変わった環境に自分自身も合わせていきます。この双方向の動きが適応の中身です。
ライフモデルの適応は、相互に、継続的に、の2つの言葉がそろっているかで見分ける、と覚えておくと、一方向や静止した状態として述べた記述を外しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1環境を変えることにより,個人の特性やニーズに合致する。:環境を変えることで個人の特性やニーズに合わせるという記述は、環境の側だけが変わる一方向の捉え方です。人が自らも変化に合わせていくという、ライフモデルの適応の双方向の性質が抜けています。
- 2個人の能力と環境条件が拮抗することによって,均衡が保たれる。:個人の能力と環境の条件が拮抗して均衡が保たれるという記述は、力が釣り合って止まった状態を示しています。ライフモデルの適応は、人と環境が働きかけ合いながら続いていく過程として捉えられています。
- 4人々と環境との関係の中で,個人が能力を発揮することによって適応が確保される。:人が環境との関係の中で能力を発揮することで適応が確保されるという記述は、個人の側の努力だけで適応を説明しています。環境に働きかけて変えることも含む、人と環境の相互作用の視点が欠けています。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題77。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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