第38回 問題80
社会福祉調査の基礎
調査デザインに関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1有意抽出は,標本数が限定されている場合に,標本抽出の確率を等しくする方法である。
- 2無作為抽出による標本調査は,標本の特性を推論することを目指す方法である。
- 3実験計画法は,因果関係の検証に適した方法である。
- 4縦断調査は,複数の母集団を対象に一時点のデータを収集する方法である。
- 5パイロット調査は,調査地域や実施計画,調査にかかるコスト等の適切さを確認するために,まずは小規模な標本に対して行う方法である。
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✓ これが正解3実験計画法は,因果関係の検証に適した方法である。
✓ これが正解5パイロット調査は,調査地域や実施計画,調査にかかるコスト等の適切さを確認するために,まずは小規模な標本に対して行う方法である。
解説
実験計画法は因果関係の検証に適し、パイロット調査は小規模に先に行う調査です。
この問は、社会福祉調査で使われる調査デザインと標本の取り方についての基本を問うものです。それぞれの方法が何を目指し、どんな特徴を持つのかを押さえているかが判断の軸です。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。
1つ目は、実験計画法は因果関係の検証に適した方法だという記述です。実験計画法では、調べたい要因(たとえば新しい支援プログラム)を研究者が意図して加え、加えた群と加えない群を比べたり、前後の変化を比べたりします。ほかの条件をできるだけそろえて要因だけを動かすため、その要因が結果を生んだのかどうかを確かめるのに向いています。
2つ目は、パイロット調査は、調査地域や実施計画、調査にかかるコストなどの適切さを確かめるために、まず小規模な標本に対して行う方法だという記述です。本調査の前に少ない人数で試してみることで、質問の分かりにくさや回答にかかる時間、回収の見込みなどの問題を見つけ、本調査の計画を直すことができます。
調査デザインは、因果を確かめる実験、全体を推し量る無作為抽出、時間の変化を追う縦断調査、本番前の試しのパイロット調査、というように目的と結びつけて覚えると、説明を入れ替えた記述を見抜きやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1有意抽出は,標本数が限定されている場合に…:有意抽出は、研究者の判断で調査の目的に合う対象を選ぶ方法で、どの対象が選ばれる確率も等しいという性質はありません。抽出の確率を等しくするのは無作為抽出の特徴です。
- 2無作為抽出による標本調査は,標本の特性を…:無作為抽出による標本調査が目指すのは、選ばれた標本の結果から、もとの母集団の特性を推し量ることです。標本そのものの特性を推論する方法だという記述は、目的を取り違えています。
- 4縦断調査は,複数の母集団を対象に一時点の…:縦断調査は、同じ対象を何度か時期を変えて調べ、時間による変化を捉える方法です。複数の対象について一つの時点のデータを集めるのは横断調査の特徴です。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題80。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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