第38回 問題83
社会福祉調査の基礎
インタビューデータの整理と分析に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1調査者自身の意見と合致する内容を録音データから抜き出し,逐語録を作成した。
- 2対象者の発言内容を,関連する専門用語に当てはめてコーディングを行った。
- 3カテゴリーの数が先行研究と近似するように,コードを分類した。
- 4分析を終えるまで,インタビューの逐語録を繰り返し参照した。
- 5解釈の妥当性を確認するために,分析結果を図式化した概念図を対象者に説明し,意見を求めた。
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✓ これが正解4分析を終えるまで,インタビューの逐語録を繰り返し参照した。
✓ これが正解5解釈の妥当性を確認するために,分析結果を図式化した概念図を対象者に説明し,意見を求めた。
解説
逐語録を分析の最後まで参照し、解釈を対象者に確かめるのが適切です。
この問は、インタビュー調査で得たデータを整理し分析するときの基本的な姿勢を問うものです。データそのものに立ち返っているか、調査者の思い込みでデータをゆがめていないかが判断の軸です。この問は適切なものを2つ選ぶ問です。
1つ目は、分析を終えるまでインタビューの逐語録を繰り返し参照したという対応です。質的な分析では、発言を短い言葉にまとめたりカテゴリーに分けたりする中で、もとの文脈から意味が離れてしまうことがあります。逐語録に何度も立ち返ることで、対象者が実際に語った言葉と流れに根ざした解釈になっているかを確かめ続けることができます。
2つ目は、解釈の妥当性を確かめるために、分析結果を図式化した概念図を対象者に説明し、意見を求めたという対応です。調査者の解釈が、対象者自身の経験や考えと合っているかを本人に確かめる方法で、メンバーチェックとも呼ばれます。対象者の視点から見て納得できる結果かどうかを点検することで、分析の信頼性を高められます。
質的データの分析は、データに忠実であること、調査者の先入観を持ち込まないこと、解釈を確かめる手続を踏むこと、の3点で点検すると、ほかの対応の問題点も見つけやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1調査者自身の意見と合致する内容を録音データから抜き出し,逐語録を作成した。:調査者自身の意見と合う部分だけを録音から抜き出して逐語録を作ると、データが調査者の考えに沿って選ばれてしまいます。逐語録は語られた内容をそのまま書き起こすことが前提です。
- 2対象者の発言内容を,関連する専門用語に当てはめてコーディングを行った。:対象者の発言を最初から専門用語に当てはめてコード化すると、本人が使った言葉や意味が失われるおそれがあります。コーディングは、まず対象者の語りに即して行うことが大切です。
- 3カテゴリーの数が先行研究と近似するように,コードを分類した。:カテゴリーの数を先行研究に近づけるようにコードを分けることは、データから見えてくる内容よりも、既存の結果に合わせることを優先しています。分析の結果をゆがめる対応です。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題83。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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