第38回 問題84
社会福祉調査の基礎
事例を読んで,次のうち,社会福祉法人A会が行った評価・分析の方法に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
社会福祉法人A会では,中期事業計画の策定に際し,法人の現状について,他の法人と比べて優れている内部の資源や能力,改善の余地がある内部の課題などの内部環境要因を洗い出し,それに影響を与える活用可能な外部環境の好条件や,成長や存続を妨げる外部リスクなどの外部環境要因も含めて,将来の方向性を整理した。
- 1PDCA
- 2SWOT分析
- 3バランス・スコアカードによる評価
- 4ロジックモデル
- 5トライアンギュレーション
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✓ これが正解2SWOT分析
解説
内部の強み・弱みと外部の機会・脅威を整理する方法は、SWOT分析です。
この事例の決め手は、社会福祉法人A会が中期事業計画を作る際に、法人の内部の強み(他法人より優れている資源や能力)と弱み(改善の余地がある課題)を洗い出し、さらに外部の好条件と外部のリスクも含めて将来の方向性を整理した、という分析の組み立てです。内部と外部、良い面と悪い面の2つの軸で整理している点が見分けのポイントです。
最も適切なのは、SWOT分析です。SWOT分析は、組織の内部環境を強み(Strength)と弱み(Weakness)、外部環境を機会(Opportunity)と脅威(Threat)に分けて整理し、組織の戦略を考える方法です。事例で、他の法人と比べて優れている内部の資源や能力は強み、改善の余地がある内部の課題は弱み、活用可能な外部環境の好条件は機会、成長や存続を妨げる外部リスクは脅威にそれぞれあたり、4つの要素がそろっています。社会福祉法人の経営でも、地域のニーズの変化や制度の改正、人材の確保の状況などを踏まえて事業計画を立てる際によく使われます。
経営の分析の方法は、現状を4つに分けて整理するSWOT分析、改善を回し続けるPDCA、成果を多面的な指標で評価するバランス・スコアカード、事業の道筋を図にするロジックモデル、と目的で区別すると見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1PDCA:PDCAは、計画、実行、評価、改善の4つの段階を繰り返して業務の質を高めていく管理の考え方です。内部と外部の環境要因を洗い出して整理する分析の方法ではありません。
- 3バランス・スコアカードによる評価:バランス・スコアカードは、財務、顧客、業務の進め方、学習と成長などの複数の視点から目標と指標を立て、戦略の実行状況を評価する方法です。内部・外部の環境要因を4つに分けて整理する方法とは異なります。
- 4ロジックモデル:ロジックモデルは、投入する資源、活動、その結果としての産出や成果のつながりを図に示し、事業がどのような道筋で目的に至るのかを整理する方法です。環境要因の分析とは目的が異なります。
- 5トライアンギュレーション:トライアンギュレーションは、調査や研究で、複数の方法やデータ、調査者を組み合わせて結果の確からしさを高める考え方です。組織の内部・外部環境を整理する評価の方法ではありません。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題84。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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