第38回 問題91
児童・家庭福祉
児童福祉法に規定される児童の一時保護に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1児童相談所長は,児童虐待のおそれがあるとき,少年法の規定により事件の送致を受けた場合等であって,必要があると認めるときは,一時保護を行うことができる。
- 2児童相談所長は,児童の親権者等の意に反する場合には,裁判所にあらかじめ一時保護状を請求しなければ,一時保護を開始することができない。
- 3一時保護の期間は,最長で二月とされており,延長するには,親権者等の同意の有無に関わらず,家庭裁判所の承認が必要である。
- 4一時保護を行う施設の設備と運営の基準については,児童養護施設の基準を準用することとされている。
- 5児童相談所長は,一時保護を行っている児童に対して,児童の親権者等の意向に基づき,監護及び教育に関し,その児童の福祉のため必要な措置を取らなければならない。
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✓ これが正解1児童相談所長は,児童虐待のおそれがあるとき,少年法の規定により事件の送致を受けた場合等であって,必要があると認めるときは,一時保護を行うことができる。
解説
児童相談所長は虐待のおそれや少年法の送致の場合等に一時保護ができる。
児童の一時保護は児童福祉法第33条に定めがあり、出題時点では、2022年の改正で設けられた一時保護状の手続(2025年6月施行)や、一時保護施設の基準も含めて判断します。
同条第1項は、児童相談所長が、児童虐待のおそれがあるとき、少年法の規定により事件の送致を受けたときその他の内閣府令で定める場合であって、必要があると認めるときに、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るためなどに一時保護を行うことができる、としています。一時保護を行える場合を、虐待のおそれや少年法による送致などと示した記述は、この条文の内容と合っており正しい記述です。
ほかの記述は条文の内容と食い違います。一時保護状は、一時保護を開始した日から7日以内に請求するものとされ、親権者等の同意がある場合などは請求を要しません。一時保護の期間は2か月を超えてはならず、それを超えて続けることが親権者等の意に反する場合に家庭裁判所の承認が必要です。一時保護施設については、都道府県が条例で設備と運営の基準を定めることとされています。また、一時保護中の児童に対して児童相談所長がとる措置は、親権者等の意向に従うものではなく、児童の福祉のために必要な措置をとることができる、という定めです。
一時保護の手続は、開始は児童相談所長の判断、事後に裁判官の一時保護状、2か月を超えて意に反するなら家庭裁判所、と時間の流れに沿って覚えると整理しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2児童相談所長は,児童の親権者等の意に反す…:裁判官への請求は、保護を始めた後、その日から数えて7日の期限内に行えばよい仕組みです。事前の請求を開始の条件にはしておらず、親権者等が同意している場合などは請求そのものが求められません。
- 3一時保護の期間は,最長で二月とされており…:一時保護の期間が2か月を超えてはならない点は合っています。しかし家庭裁判所の承認が必要なのは、引き続き一時保護を行うことが親権者等の意に反する場合であり、同意の有無に関わらず必要とする点が誤りです。
- 4一時保護を行う施設の設備と運営の基準につ…:一時保護施設は児童相談所に設けられる独自の施設とされ、その設備と運営の基準は都道府県が条例で定めることになっています。児童養護施設の基準を準用するという仕組みではありません。
- 5児童相談所長は,一時保護を行っている児童…:一時保護中の児童で親権者等のある者について、児童相談所長は監護及び教育に関し児童の福祉のため必要な措置をとることができるとされています。親権者等の意向に基づくのではなく、親権者等はその措置を不当に妨げてはならないと定められています。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題91。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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