第38回 問題102
貧困に対する支援
事例を読んで,生活困窮者自立相談支援機関の相談支援員(社会福祉士)の支援に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(80歳)は息子のBさん(52歳)と二人暮らしである。Bさんは中学卒業後,高校には進学せず就職したが仕事を覚えられず転職を繰り返した。ここ10年ほどは求職活動をせず家で過ごしているが,親子関係は良好である。現在はAさんの老齢基礎年金と貯蓄でどうにか生活できているが,Aさんは高齢であることから,今後のBさんのことを心配している。Aさんは,民生委員から紹介されたC市の生活困窮者自立相談支援機関に行って相談した。
- 1AさんからBさんに働くよう強く求めることを提案する。
- 2Bさんと面談できる機会を得られるようAさんに働きかける。
- 3Bさんの自立を促すため,AさんにBさんとの別居を提案する。
- 4Aさんに,Bさんは地域若者サポートステーションを利用できると助言する。
- 5Aさんに,BさんはC市が行っている生活困窮者就労準備支援事業を利用できると助言をする。
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✓ これが正解2Bさんと面談できる機会を得られるようAさんに働きかける。
✓ これが正解5Aさんに,BさんはC市が行っている生活困窮者就労準備支援事業を利用できると助言をする。
解説
Bさんと会える機会を得るよう働きかけ、就労準備支援事業の利用を助言する。
事例の決め手は、相談に来たのが母親のAさんであり、支援の対象となるBさんにはまだ会えていないこと、そしてBさんが52歳で、10年ほど求職活動をせず家で過ごしていることです。支援の段階でいえば、家族からの相談を受けたインテークの段階で、本人のアセスメントはまだ始まっていません。2つ選ぶ問です。
1つめに適切なのは、Bさんと面談できる機会を得られるようAさんに働きかける対応です。本人に会わないまま方針を決めることはできず、親子関係が良好であることを生かして、Aさんを通じて本人との接点をつくることが最初の一歩になります。
2つめに適切なのは、BさんがC市の生活困窮者就労準備支援事業を利用できると助言する対応です。就労準備支援事業は、すぐに一般の仕事に就くことが難しい人に、生活習慣の形成、社会参加のための訓練、就労に向けた基礎的な能力の形成などを計画的に行う事業です。長く働いていないBさんに合った、段階を踏んだ支援の手立てになります。
これに対し、働くよう強く求めることや別居を提案することは、良好な親子関係を損ない、Bさんを追い詰めるおそれがあります。地域若者サポートステーションは、おおむね15歳から49歳までの人を対象としており、52歳のBさんは対象から外れます。本人の年齢と状態に合う制度を選ぶこと、まず本人に会うこと、の2点が見分け方です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1AさんからBさんに働くよう強く求めることを提案する。:10年ほど働いていないBさんに、親から強く就労を求めさせても、本人の状態や思いを確かめないままの圧力となり、良好な親子関係を損なうおそれがあります。本人に会う前の段階で提案する内容ではありません。
- 3Bさんの自立を促すため,AさんにBさんとの別居を提案する。:別居を提案しても、Bさんの生活の基盤や就労の準備が整うわけではなく、かえって生活が立ち行かなくなるおそれがあります。本人に会ってアセスメントする前に、家族の形を変える提案をするのは早すぎます。
- 4Aさんに,Bさんは地域若者サポートステーションを利用できると助言する。:地域若者サポートステーションは、働くことに悩みを抱えるおおむね15歳から49歳までの人とその家族を対象とする就労支援の機関です。52歳のBさんは対象年齢を超えているため、利用できると助言するのは誤りです。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題102。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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