第38回 問題114
ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
ジェネラリストソーシャルワークに関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1ソーシャルワーク専門職が「体制」を維持し,抑圧を正当化しているとの批判から生まれた。
- 2問題を文脈の中で捉え一般化し,状況に応じて効果的な方法を1つ選んで介入する。
- 3どのような対象に働きかけるときも,ソーシャルワークプロセスは同じである。
- 4ニーズに適切に対応するために,多様なシステムに対する支援のレパートリーに関する知識を持つことが求められる。
- 5問題や病理的なところをストレングスに変換することでエンパワメントを行う。
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✓ これが正解3どのような対象に働きかけるときも,ソーシャルワークプロセスは同じである。
✓ これが正解4ニーズに適切に対応するために,多様なシステムに対する支援のレパートリーに関する知識を持つことが求められる。
解説
プロセスは対象を問わず共通で、多様なシステムへの支援の知識が求められる。
ジェネラリストソーシャルワークは、ケースワーク・グループワーク・コミュニティワークという方法の区分を超えて、ソーシャルワークを一つのまとまった実践としてとらえる考え方です。システム理論や生態学的な視点を土台に、個人から家族、集団、組織、地域、社会までを連続したシステムとして見て、必要に応じて働きかける対象を選びます。2つ選ぶ問です。
1つめに適切なのは、どのような対象に働きかけるときも、ソーシャルワークのプロセスは同じであるとする記述です。対象が個人でも地域でも、インテーク、アセスメント、プランニング、支援の実施、モニタリング、評価という共通の流れで実践を進める、という点がジェネラリストの特徴です。
2つめに適切なのは、ニーズに適切に対応するために、多様なシステムに対する支援のレパートリーに関する知識を持つことが求められるとする記述です。働きかける対象が幅広い以上、それぞれに合う支援の手立てを数多く知り、組み合わせて使えることが必要になります。
一方、専門職が体制を維持し抑圧を正当化しているという批判から生まれたのは、ラディカル・ソーシャルワークなどの批判的な立場です。また効果的な方法を1つだけ選ぶのではなく、複数の方法を組み合わせるのがこの考え方です。ストレングスは、問題を変換して生み出すものではなく、本人や環境がもともと持つ強みに目を向ける視点です。共通のプロセスと幅広いレパートリー、が見分けの鍵です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ソーシャルワーク専門職が「体制」を維持し,抑圧を正当化しているとの批判から生まれた。:社会のしくみそのものが人を苦しめていると考え、福祉の専門職もその維持に加担してきたと問い直したのは、構造的な変革を唱える急進的な流れです。方法の違いを越えて実践をまとめようとしたジェネラリストの出発点とは別物です。
- 2問題を文脈の中で捉え一般化し,状況に応じて効果的な方法を1つ選んで介入する。:ジェネラリストソーシャルワークは、状況に応じて複数の方法やシステムへの働きかけを組み合わせて用います。効果的な方法を1つに絞って介入するとしている点が、この考え方と合いません。
- 5問題や病理的なところをストレングスに変換することでエンパワメントを行う。:ストレングスの視点は、本人や環境がもともと持っている強みや資源に目を向けるものです。問題や病理をストレングスに変換するという説明は、この視点の理解として誤っています。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題114。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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