第38回 問題115
ソーシャルワークの理論と方法(専門)
ソーシャルワークにおける契約に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。
- 1ワーカーとクライエントとの契約によって,クライエントのみが支援の対象となる。
- 2ワーカーが重点を置いている課題の解決について契約が結ばれる。
- 3誤解や訴訟を減らす手法として,書面での契約を採用する。
- 4契約内容については,支援の終了まで変更のないことに合意して結ばれる。
- 5クライエントとワーカーそれぞれの問題解決に対する責任性が高まる。
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✓ これが正解3誤解や訴訟を減らす手法として,書面での契約を採用する。
✓ これが正解5クライエントとワーカーそれぞれの問題解決に対する責任性が高まる。
解説
書面の契約は誤解や訴訟を減らし、双方の責任性を高める。
ソーシャルワークにおける契約は、アセスメントを経て、クライエントとワーカーが支援の目標、取り組む課題、それぞれの役割、期間などについて合意し、それを確認し合う手続です。契約によって支援は、ワーカーが一方的に与えるものではなく、双方が合意して進める共同の取組になります。2つ選ぶ問です。
1つめに適切なのは、誤解や訴訟を減らす手法として、書面での契約を採用するという記述です。口頭の合意だけでは、何を約束したのかについて後で食い違いが生じやすくなります。合意の内容を書面に残すことで、互いの認識のずれを防ぎ、トラブルの予防にもつながります。
2つめに適切なのは、契約によってクライエントとワーカーそれぞれの問題解決に対する責任性が高まるという記述です。何をだれが行うのかを合意して確かめることで、クライエントは自分の課題に主体的に取り組む立場になり、ワーカーも約束した支援を果たす責任を負います。
一方、契約は、支援の対象をクライエント本人だけに限るものではなく、家族や関係機関などへの働きかけも内容に含まれえます。取り組む課題は、ワーカーが重視するものではなく、クライエントと合意したものです。また支援の途中で状況が変われば、話し合って契約の内容を見直します。合意・共同・見直し可能、の3つの性質を押さえておくと見分けやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1ワーカーとクライエントとの契約によって,クライエントのみが支援の対象となる。:契約で合意するのは、取り組む課題や目標、双方の役割などです。課題の解決に必要であれば、家族や関係機関などへの働きかけも内容に含まれるので、クライエントだけが支援の対象になるわけではありません。
- 2ワーカーが重点を置いている課題の解決について契約が結ばれる。:契約の対象となる課題は、クライエントとワーカーが話し合い、クライエントが取り組みたいと合意したものです。ワーカーが重点を置く課題を一方的に定めるのでは、合意による共同の取組になりません。
- 4契約内容については,支援の終了まで変更のないことに合意して結ばれる。:モニタリングでクライエントの状況や意向の変化が分かれば、話し合って目標や課題を見直します。契約の内容を終了まで変えないと決めておくことは、状況に応じた支援を妨げます。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題115。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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