第38回 問題128
福祉サービスの組織と経営
福祉サービスの経営に関する理論とその説明の組み合わせとして,次のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ブルー・オーシャン戦略 ― 一般的な支援を総合的に提供するのではなく,従来存在しなかった全く新しい領域の事業を開始する。
- 2ポジショニング理論 ― 特定のターゲットを明確にして事業を考えるのではなく,地域の他の事業所も行っている一般的な支援を総合的に提供する。
- 3コア・コンピテンス理論 ― 法人設立当初からの事業で培った専門分野を生かすのではなく,新しい分野のサービスを開発・実施する。
- 4リソース・ベースド・ビュー(資源ベース理論) ― 事業所内部の職員や設備の特徴・専門性を生かすのではなく,補助金や報酬制度の変化に応じて事業計画を立案する。
- 5SDCAサイクル ― 支援方法は現場職員の判断を重視して組織的課題にはせず,支援の改善内容の継続はそれぞれの職員の判断で行う。
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✓ これが正解1ブルー・オーシャン戦略 ― 一般的な支援を総合的に提供するのではなく,従来存在しなかった全く新しい領域の事業を開始する。
解説
ブルー・オーシャン戦略は、競争のない新しい領域の事業を切り開く考え方。
この問は、経営の理論の名前と、その説明の組み合わせが合っているかを見ます。各記述の説明は、〜ではなく〜する、という形で書かれているので、それぞれの理論が本来どちらを重視するかを確かめることが判断の軸になります。
ブルー・オーシャン戦略は、競争相手がひしめく既存の市場(レッド・オーシャン)で争うのではなく、競争のない新しい市場(ブルー・オーシャン)を切り開くことで、高い価値を生み出そうとする経営戦略です。一般的な支援を総合的に提供するのではなく、従来存在しなかった全く新しい領域の事業を開始する、という説明は、この理論の考え方に合っています。この組み合わせが最も適切です。
ほかの組み合わせは、説明が理論の考え方と逆になっています。ポジショニング理論は、市場の中で自らの立ち位置やターゲットを明確に定めて競争優位を得ようとする考え方で、他の事業所と同じ一般的な支援を総合的に提供するのとは逆です。コア・コンピテンス理論は、他が簡単にまねできない組織の中核となる強みを生かすことを重視します。リソース・ベースド・ビュー(資源ベース理論)も、組織内部の人材や設備などの独自の経営資源を競争力の源とみる考え方です。SDCAサイクルは、標準化(Standardize)した手順を実施し、確かめ、改善して定着させる循環で、組織として手順をそろえることが出発点です。
理論の名前に含まれる語、たとえばコアは中核の強み、リソースは内部の資源、と結びつけて読むと、逆の説明に気づきやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 2ポジショニング理論 ― 特定のターゲット…:立ち位置を決める理論は、市場のどこで勝負するかを選び、狙う相手をはっきりさせて差をつけることを大切にします。周りの事業所と同じことを幅広く行うという説明では、この理論の要点が裏返しになっています。
- 3コア・コンピテンス理論 ― 法人設立当初…:コア・コンピテンス理論は、他の組織がまねできない中核的な強みを見極め、それを生かして事業を展開する考え方です。設立以来培ってきた専門分野を生かさないという説明は、この理論と正反対になっています。
- 4リソース・ベースド・ビュー(資源ベース理…:リソース・ベースド・ビューは、組織が内部に持つ人材や設備、ノウハウなどの独自の経営資源を競争力の源と考えます。内部資源を生かさず、外部の制度の変化に合わせて計画を立てるという説明は、この理論と合いません。
- 5SDCAサイクル ― 支援方法は現場職員…:SDCAサイクルは、業務の手順を組織として標準化し、それを実施・確認・改善して定着させる循環です。支援方法を職員個人の判断に任せ、組織の課題にしないという説明は、標準化を出発点とする考え方と逆です。
出典:第38回 社会福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題128。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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