平成27年度 秋期 午前 問37
セキュリティ
タイムスタンプに関する問題
手順に示す処理を行ったとき,検証できることはどれか。
〔手順〕
(1) 送信者 A はファイルのハッシュ値を計算して,信頼できる第三者機関に送信する。
(2) 第三者機関は,信頼できる日時を保持しており,受信したハッシュ値とその受信日時を結合し(結合データ),そのディジタル署名を生成し,ディジタル署名と結合データの組(ディジタル署名済みの結合データ)を送信者 A に返信する。
(3) 送信者 A はファイルと第三者機関から送られてきたディジタル署名済みの結合データを受信者 B に送信する。
(4) 受信者 B は第三者機関のディジタル署名を確認し,ファイルから計算したハッシュ値と,ディジタル署名済みの結合データから取り出されたハッシュ値を照合する。そして,結合データから取り出された日時を確認する。
- ア当該日時に受信者 B にファイルが到達したこと
- イ当該日時に送信者 A が受信者 B にファイルを送信したこと
- ウ当該日時にファイルが作成されたこと
- エ当該日時にファイルが存在し,それ以降改ざんされていないこと
答えと解説を見る
✓ これが正解エ当該日時にファイルが存在し,それ以降改ざんされていないこと
解説
その日時にあったことと、以後の非改ざんを示します。
設問は、四段階の手順を読んで、そこから何が検証できるかを選ばせています。答えを絞るこつは、第三者機関が受け取ったものを確かめることです。送られたのはファイルのハッシュ値だけで、ファイルそのものも、誰がいつ誰に送ったかも、機関の側は一切見ていません。したがって言えることは、その一点から導ける範囲に限られます。機関が保証したのは、このハッシュ値をこの日時に受け取った、という事実だけです。日時は機関の信頼できる時計によるもので、送信者にも受信者にも動かせません。受信者の側では、まず機関のデジタル署名を確かめることで、ハッシュ値と日時を結び付けたデータが機関の作ったものであり、途中で書き換えられていないと分かります。次に手元のファイルから計算した値がその中の値と一致すれば、手元のファイルはその日時に既に存在していたものと同じだと言えます。つまり存在の時点と、それ以降の非改ざんの二つです。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア当該日時に受信者 B にファイルが到達し…:受け取り手のもとへ届いたかどうかは、手順の三番目で行われるやり取りに関わることです。第三者機関はそこに関わっておらず、届いた事実を確かめる材料は結合されたデータのどこにも含まれていません。
- イ当該日時に送信者 A が受信者 B にフ…:誰が誰に送ったかを示すには、送り手と受け手を結び付けた記録が必要です。機関が受け取ったのは値そのものだけで、送受信の相手の情報は渡っていないため、この事実は裏付けられません。
- ウ当該日時にファイルが作成されたこと:分かるのはその時点で既にあったということだけで、いつ作られたかまでは踏み込めません。手順のどこにも作成の時刻は現れず、一年前に作られたものを後から預けた場合も同じ結果になります。
この問題の用語
- タイムスタンプデータが作られたり更新されたりした日時を記録したものです。ログの順序の確認や、ある時刻に存在したことの証明に使います。
- デジタル署名送り主が本人であることと、途中で中身が変わっていないことを同時に示す電子の印(古い表記はディジタル署名)。秘密鍵で作り、公開鍵で確かめます。
- ハッシュ値データから計算した固定長の値のこと。同じデータなら必ず同じ値になるので、データの比較や検索を速くするのに使われます。
- ディジタル署名デジタル署名の古い書き方で、指しているものは同じです。改ざんを見つけられるだけで、改変そのものを防ぐ力はありません。
- 改ざん保管や送信の途中で、内容を許されずに書き換えること。完全性が損なわれますが、電子署名などを使えば起きたことを見つけられます。
出典:平成27年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問37
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問45:デジタル署名に関する問題(デジタル署名)
- 令和7年度 春期 午前 問44:ストレッチングに該当するもの(ハッシュ値)
- 令和7年度 春期 午前 問40:SBOMに関する問題(改ざん)
- 令和2年度 10月 午前 問42(ディジタル署名)
- 令和2年度 10月 午前 問38:OCSPに関する問題(タイムスタンプ)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)