平成27年度 秋期 午前 問38
セキュリティ
暗号方式に関する説明のうち,適切なものはどれか。
- ア共通鍵暗号方式で相手ごとに秘密の通信をする場合,通信相手が多くなるに従って,鍵管理の手間が増える。
- イ共通鍵暗号方式を用いて通信を暗号化するときには,送信者と受信者で異なる鍵を用いるが,通信相手にその鍵を知らせる必要はない。
- ウ公開鍵暗号方式で通信文を暗号化して内容を秘密にした通信をするときには,復号鍵を公開することによって,鍵管理の手間を減らす。
- エ公開鍵暗号方式では,署名に用いる鍵を公開しておく必要がある。
答えと解説を見る
✓ これが正解ア共通鍵暗号方式で相手ごとに秘密の通信をする場合,通信相手が多くなるに従って,鍵管理の手間が増える。
解説
相手ごとに秘密の鍵が必要なので手間が増えます。
設問は、暗号方式についての説明のうち、正しいものを選ばせています。四つを見分ける物差しは一つに絞れます。公開してよいのは、公開鍵暗号方式で相手に暗号化してもらうための鍵と、署名を検証してもらうための鍵だけで、それ以外の鍵は決して公開しない、という一本です。この物差しを当てると、公開してはいけない鍵を公開すると述べている肢が落ちます。残るのは共通鍵暗号方式の性質を述べたものです。この方式では、通信する二者が同じ鍵を使い、その鍵を互いに秘密に保たなければなりません。したがって相手ごとに別の鍵を用意することになり、相手が増えるほど保管すべき鍵の本数も増えます。互いに秘密の通信をする人数が増えると、必要な鍵の本数は人数の二乗に近い勢いで膨らみます。十人なら四十五本、百人なら四千九百五十本です。この鍵管理の重さこそが、公開鍵暗号方式が考え出された理由の一つでした。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ共通鍵暗号方式を用いて通信を暗号化すると…:二か所とも向きが逆になっています。同じ鍵を二者で使うのがこの方式の前提であり、だからこそ相手へ安全に渡す手立てが別に必要です。異なる鍵を用いるのはもう一方の方式の説明です。
- ウ公開鍵暗号方式で通信文を暗号化して内容を…:解く側の鍵を誰でも入手できるようにすれば、暗号文を受け取った者すべてが中身を読めてしまいます。手間を減らすどころか秘密の通信が成り立たなくなり、公開する鍵の選び方が逆です。
- エ公開鍵暗号方式では,署名に用いる鍵を公開…:署名を作るときに使うのは本人だけが持つ鍵です。これを誰でも使える状態にすれば、誰でも本人になりすませます。広く配るべきなのは、署名を確かめる側に使う鍵の方です。
この問題の用語
- 共通鍵暗号同じ鍵を、暗号にするときにも元に戻すときにも使うやり方。鍵を知られた時点で中身が読まれるので、渡し方と保管が肝心です。
- 公開鍵暗号配ってよい鍵と手元に隠す鍵を対にして使う暗号のやり方。同じ鍵を相手と持ち合わなくてよいので、初めての相手とも安全にやり取りできます。
- 鍵管理鍵を作り、配り、保管し、捨てるまでを安全に扱うことです。共通鍵の方式では相手ごとに鍵が要るので、相手が増えるほど大変です。
- 共通鍵暗号方式「共通鍵暗号」と同じ意味です。同じ鍵を送る側と受け取る側の双方が持つやり方を、手順として言うときにこの言い方をします。
- 暗号化内容を鍵がなければ読めない形に変換すること。通信の経路だけでは守りきれない場合があるので、ファイル自体にも施します。
- 公開鍵暗号方式「公開鍵暗号」と同じ意味です。配ってよい鍵と隠す鍵を対にして使うやり方を、手順として言うときにこの言い方をします。
- 復号暗号にした文を、もとの読める形に戻すことをいいます。相手の公開鍵で暗号化した文は、相手の秘密鍵だけで戻せます。
出典:平成27年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問38
同じ用語が出る問題
- 令和6年度 春期 午前 問38:公開鍵暗号方式に関する問題(公開鍵暗号方式)
- 令和5年度 秋期 午前 問45:DNSSECについての記述(共通鍵暗号方式)
- 令和3年度 春期 午前 問80:電子署名法に関する記述(共通鍵暗号)
- 平成29年度 春期 午前 問38:デジタル署名に関する問題(鍵管理)
- 平成27年度 秋期 午前 問40:公開鍵暗号方式の暗号アルゴリズム(公開鍵暗号)
この解説に誤りを見つけたら教えてください。直して、直した記録を残します。誤りを報告する(メールが開きます)