平成28年度 秋期 午前 問79
法務
組織的安全管理措置に該当するもの
国の個人情報保護委員会が制定した“特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)”は,特定個人情報に関する安全管理措置を,組織的安全管理措置,人的安全管理措置,物理的安全管理措置及び技術的安全管理措置に分けて例示している。組織的安全管理措置に該当するものはどれか。
- ア事務取扱担当者に対して,特定個人情報の適正な取扱いを周知徹底するための教育を行う。
- イ特定個人情報が記録された電子媒体を取扱区域の外へ持ち出す場合,容易に個人番号が判明しない措置を実施する。
- ウ特定個人情報の取扱状況が分かる記録を保存する。
- エ特定個人情報を取り扱う情報システムを,外部からの不正アクセスから保護する仕組みを導入し,適切に運用する。
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✓ これが正解ウ特定個人情報の取扱状況が分かる記録を保存する。
解説
組織的は、体制と記録で守るほうの措置です。
設問は、国の個人情報保護委員会が制定したガイドラインが、特定個人情報についての安全管理措置を四つに分けて例示していることを前提に、そのうち組織的安全管理措置に当たるものを選ばせています。四つの分かれ目は、何によって守るかに置かれています。組織的と呼ばれるものは、責任者を決め、取扱いの規程を定め、取扱いの状況を後から確かめられる形で残し、点検し、事故が起きたときの手順を用意しておくといった、体制そのものを整える措置です。人的と呼ばれるものは、実際に扱う人に教育や監督を施し、秘密を守る約束を結ぶ措置です。物理的と呼ばれるものは、扱う場所を区切り、機器や媒体の出入りや廃棄を管理する措置です。技術的と呼ばれるものは、情報システムの側で、誰が触れられるかを制御したり、外からの侵入を防いだりする措置です。この設問では四つの肢が四つの区分に一つずつ割り当てられているので、残りの行き先を決めていけば答えは一つに絞れます。取扱状況が分かる記録を保存するという記述は、誰がいつ何をしたかを後から追えるようにして体制を働かせるためのものなので、組織的安全管理措置に当たります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- ア事務取扱担当者に対して,特定個人情報の適…:事務取扱担当者に適正な取扱いを周知徹底するための教育を行うと述べています。働きかけている相手は、体制でも場所でもシステムでもなく、扱う人そのものです。人に向けた措置なので、区分としては別の枠に入ります。
- イ特定個人情報が記録された電子媒体を取扱区…:電子媒体を取扱区域の外へ持ち出すときに、個人番号が容易に判明しない措置を実施すると述べています。手立てだけを見るとシステムの側の工夫にも思えますが、設問が挙げるガイドラインでは、持ち出すという場面をとらえて、場所と物を管理する枠に置かれています。手段ではなく場面で決まるところが紛らわしい肢です。
- エ特定個人情報を取り扱う情報システムを,外…:情報システムを外部からの不正アクセスから保護する仕組みを導入し、適切に運用すると述べています。守りを受け持っているのはシステムの側の仕掛けであり、体制を定めたり取扱いを記録に残したりする話ではありません。
この問題の用語
- 安全管理措置個人データを安全に扱うために、事業者が講じる備えのことです。担当者を限り、権限を必要な範囲にとどめることも含まれます。
- 特定個人情報個人番号を含む個人情報のこと。決められた事務のためならファイルを作れますが、業務成績の管理などに使うことは禁じられています。
- 組織目的を果たすために、人が役割を分けて集まったまとまりのことです。分け方には機能別、事業部制、マトリックスなどの形があります。
- 個人番号住民一人ひとりに割り当てられる12桁の番号のこと。税や社会保障などの決められた事務にだけ使え、業務成績の管理には使えません。
- 情報システム業務に必要なデータを集め、処理し、伝えるための仕組み全体です。コンピュータや通信網だけでなく、それを使う人や業務の手順も含みます。
- 不正アクセス許されていない人が、他人の識別情報などを使って機器やサービスに入り込むこと。中身を見なくても、入った時点で問題になります。
出典:平成28年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問79
同じ用語が出る問題
- 令和7年度 秋期 午前 問44:デジタルフォレンジックスの問題(不正アクセス)
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- 令和2年度 10月 午前 問79:マイナンバー法に関する問題(特定個人情報)
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