第40回 午前 問6
社会・環境と健康
Hillの判定基準に関する問題
Hillの判定基準において、原因と考えられる要因の曝露と、結果である疾病発症の因果関係を推定するうえで、必要不可欠な条件である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1曝露と結果の間に、強い関連が認められること。
- 2曝露と結果の関係が、異なる集団を対象とした研究で同様に示されていること。
- 3曝露は、結果の発生より前に存在していること。
- 4曝露量と結果の間に、量反応関係が観察されること。
- 5曝露と結果の関係が、既に報告されている因果関係に類似していること。
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✓ これが正解3曝露は、結果の発生より前に存在していること。
解説
因果関係の推定で不可欠なのは、曝露が結果より先にあることです。
Hillの判定基準(因果関係の判定基準)は、観察研究で見つかった関連が因果関係かどうかを考えるときの観点で、関連の強固性(強さ)、一致性、特異性、時間性(時間的前後関係)、生物学的勾配(量反応関係)、もっともらしさ、整合性、実験的証拠、類似性などが挙げられています。
このうち、どれか一つが欠けても因果関係を否定できない観点が多いのに対し、時間性だけは必ず満たさなければなりません。原因は結果より前に存在するはずなので、曝露が疾病の発生より後にあるなら、その曝露を原因とは考えられないからです。関連の強さ、異なる集団での再現性(一致性)、量反応関係、既知の因果関係との類似性は、因果関係を支持する材料にはなりますが、満たされなくても因果関係が否定されるわけではありません。
したがって、必要不可欠な条件は曝露が結果の発生より前に存在していることです。原因は結果より先、という時間の順序だけは例外がない、と覚えておくと選び分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1曝露と結果の間に、強い関連が認められること。:関連の強さ(強固性)は、因果関係を支持する重要な観点の一つです。ただし、関連が弱くても真の因果関係である場合はあるので、欠かせない条件とまではいえません。
- 2曝露と結果の関係が、異なる集団を対象とした研究で同様に示されていること。:異なる集団や研究で同じ結果が得られることは一致性と呼ばれ、因果関係の説得力を高めます。しかし研究がまだ少ない段階もあり、一致性がなければ因果を否定できるわけではありません。
- 4曝露量と結果の間に、量反応関係が観察されること。:曝露量が増えるほど結果が増える量反応関係は生物学的勾配と呼ばれ、因果関係を支持する材料です。一定量を超えたときだけ影響が出る場合もあり、必須の条件ではありません。
- 5曝露と結果の関係が、既に報告されている因果関係に類似していること。:既知の因果関係と似ていることは類似性と呼ばれる観点です。新しい種類の原因では似た前例がないこともあるため、類似性は補助的な材料にとどまり、不可欠な条件ではありません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問6(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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