第40回 午前 問21
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
糖質の代謝に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1グルコースは、アルドラーゼによりグルコース6─リン酸となる。
- 2フルクトース6─リン酸は、ホスホフルクトキナーゼによりフルクトース1,6─ビスリン酸となる。
- 3ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。
- 4グリコーゲンの分解により、グリセロールが生じる。
- 5グルコース─6─ホスファターゼは、筋肉に存在する。
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✓ これが正解2フルクトース6─リン酸は、ホスホフルクトキナーゼによりフルクトース1,6─ビスリン酸となる。
解説
ホスホフルクトキナーゼはフルクトース1,6-ビスリン酸をつくります。
解糖系は、グルコースをピルビン酸まで分解する経路で、いくつかの段階が調節のかなめになっています。最初にヘキソキナーゼ(肝臓ではグルコキナーゼ)がグルコースをリン酸化してグルコース6-リン酸にし、異性化されたフルクトース6-リン酸を、ホスホフルクトキナーゼ(PFK)がさらにリン酸化してフルクトース1,6-ビスリン酸にします。PFKは解糖系の律速酵素で、ATPが多いと抑えられ、AMPが多いと促進されます。したがって、この記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、アルドラーゼはフルクトース1,6-ビスリン酸を2つの三炭糖リン酸に分ける酵素で、グルコースをリン酸化する酵素ではありません。ペントースリン酸回路が生成するのはNADPHで、脂肪酸合成などの還元反応に使われます。グリコーゲンを分解して生じるのはグルコース1-リン酸(一部はグルコース)で、グリセロールはトリグリセリドの分解で生じます。グルコース-6-ホスファターゼは肝臓や腎臓にあり、筋肉にはないため、筋グリコーゲンは血糖の維持に直接使われません。
解糖系の入口はヘキソキナーゼ、律速はPFK、と酵素の位置で覚えると取り違えにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1グルコースは、アルドラーゼによりグルコース6─リン酸となる。:グルコースをグルコース6-リン酸にリン酸化するのは、ヘキソキナーゼや肝臓のグルコキナーゼです。アルドラーゼは解糖系の途中で六炭糖二リン酸を三炭糖リン酸2分子に切断する酵素です。
- 3ペントースリン酸回路は、NADHを生成する。:ペントースリン酸回路で生成される還元型補酵素はNADPHで、脂肪酸やステロイドの合成に利用されます。NADHを生成する経路として挙げるのは誤りです。
- 4グリコーゲンの分解により、グリセロールが生じる。:グリコーゲンはグルコースがつながった多糖なので、分解するとグルコース1-リン酸などのグルコースの形が得られます。グリセロールは中性脂肪の分解で生じるもので、グリコーゲン由来ではありません。
- 5グルコース─6─ホスファターゼは、筋肉に存在する。:グルコース-6-ホスファターゼは肝臓と腎臓に存在し、グルコースを血中に放出できるようにします。筋肉にはこの酵素がないため、筋グリコーゲンから血糖を補うことはできません。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問21(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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