第40回 午前 問23
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
高齢期の加齢に伴う変化に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1咳嗽反射は、亢進する。
- 2消化管運動は、亢進する。
- 3骨量は、増加する。
- 4副甲状腺ホルモン(PTH)分泌は、増加する。
- 5女性では、エストロゲン分泌は増加する。
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✓ これが正解4副甲状腺ホルモン(PTH)分泌は、増加する。
解説
高齢期には副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が増加します。
加齢に伴って、多くの臓器の機能は低下していきます。高齢者では、腎臓でビタミンDを活性型にする働きが落ち、腸管からのカルシウムの吸収も低下します。血中のカルシウムを保つために副甲状腺からのホルモン(PTH)の分泌が増え、骨からカルシウムを溶かし出す方向に働きます。そのため、高齢期にはPTH分泌が増加し、これが骨量の減少の一因にもなります。したがって、この記述が当てはまります。
ほかの記述を見ると、咳嗽反射(せきの反射)は加齢で低下し、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。消化管の運動も低下し、便秘の原因になります。骨量は成人期の早い時期に最大となったあと、加齢とともに減っていきます。女性では閉経によって卵巣からのエストロゲンの分泌が大きく減り、骨量の減少が加速します。
高齢期の変化は多くが低下の向きで、増える代表がPTHだと押さえておくと、亢進・増加と書かれた記述を見分けやすくなります。カルシウム吸収が落ちるのでPTHが補う、と理由で覚えておくと忘れにくくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1咳嗽反射は、亢進する。:咳嗽反射は、気道に入った異物をせきで外に出す防御反射です。高齢になるとこの反射は鈍くなり、誤嚥したものを出せずに肺炎につながりやすくなります。
- 2消化管運動は、亢進する。:加齢によって腸管の平滑筋の働きや神経の調節が弱まり、消化管の運動は低下します。高齢者に便秘が多いのはそのためで、亢進するという向きは逆です。
- 3骨量は、増加する。:骨量は20〜30歳台ごろに最大となり、その後は加齢とともに少しずつ減っていきます。高齢期に骨量が増えることはなく、骨粗鬆症のリスクが高まります。
- 5女性では、エストロゲン分泌は増加する。:女性では閉経を境に卵巣の働きが止まり、エストロゲンの分泌は大きく減少します。エストロゲンの減少は骨吸収を進め、閉経後の骨量減少の大きな原因になります。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問23(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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