第40回 午前 問24
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
治療に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1進行胃がんに対するバイパス手術は、原因療法である。
- 2十二指腸潰瘍に対するプロトンポンプ阻害薬の使用は、対症療法である。
- 3細菌性肺炎に対する抗菌薬の使用は、保存療法である。
- 4早期大腸がんに対する大腸部分切除は、保存療法である。
- 5早期胃がんに対する内視鏡的切除術は、根治療法である。
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✓ これが正解5早期胃がんに対する内視鏡的切除術は、根治療法である。
解説
早期胃がんの内視鏡的切除は、病変を取り除く根治療法です。
治療は目的によって分類されます。病気の原因そのものを取り除く原因療法、症状を和らげる対症療法、病気を完全に治すことをめざす根治療法、手術などの侵襲的な方法を用いずに薬や安静などで治す保存療法、といった区分です。それぞれの治療がどこに働きかけているかで分類を考えます。
早期胃がんでは、がんが粘膜の浅い層にとどまっていれば、内視鏡的切除でがんを取りきることができます。病変を完全に取り除いて治すことをめざすので、根治療法に当たります。これに対し、進行胃がんで食べ物の通り道を確保するバイパス手術は、がんそのものは残したまま通過障害という症状を和らげるもので、対症療法(緩和的な手術)です。十二指腸潰瘍に対するプロトンポンプ阻害薬は、潰瘍をつくる攻撃因子である胃酸の分泌を抑えて潰瘍を治す治療です。細菌性肺炎への抗菌薬は原因である細菌を除くので原因療法に、早期大腸がんの大腸部分切除は手術で病変を取り除くので保存療法ではなく外科的な根治療法に当たります。
病変を取りきるなら根治、原因に働きかけるなら原因、手術をしないなら保存、と治療が働きかける対象で分けると判断しやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1進行胃がんに対するバイパス手術は、原因療法である。:進行胃がんに対するバイパス手術は、がんを切除せずに胃と腸を別の経路でつなぎ、食べ物が通れるようにする手術です。原因であるがんは残るので、症状を和らげる対症的な治療に当たります。
- 2十二指腸潰瘍に対するプロトンポンプ阻害薬の使用は、対症療法である。:プロトンポンプ阻害薬は、胃酸を分泌する壁細胞の働きを止めて、潰瘍の形成に関わる酸そのものを減らし、治癒を促します。痛みを和らげるだけの対症療法という位置づけにはなりません。
- 3細菌性肺炎に対する抗菌薬の使用は、保存療法である。:細菌性肺炎に抗菌薬を使うのは、肺炎を起こしている細菌そのものを除くためです。手術をしないという意味では保存的ですが、治療の目的で分ければ病気の原因に働きかける原因療法と呼ぶのが適切です。
- 4早期大腸がんに対する大腸部分切除は、保存療法である。:大腸部分切除は、開腹や腹腔鏡で腸の一部とがんを取り除く手術です。外科的に病変を除去する治療は、手術をせずに治す保存療法とは反対の位置づけになります。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問24(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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